The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » 発育発達

発育発達(奇数演題) ポスター発表

Fri. Sep 2, 2022 9:00 AM - 10:00 AM 第一体育館バスケ1 (第一体育館バスケ)

[07発-ポ-05] 過去との比較からみる幼児の基本的な動きの習得状況

1985年と2019年の横断比較から

*Shinohara Toshiaki1,2, Kohei Nagano3 (1. Kyoei University, 2. Doctoral Degree Program, Nippon Sport Science University, 3. Hijiyama Junior College)

子どもの基本的な動きの未習得の状況は、我が国の教育課題とされており、中村ほか(2011)は、2007年の幼児は、体力・運動能力がピークであった1985年の幼児と比して基本的な動きの習得が停滞していることを明らかにしている。このような状況を鑑みて、2012年に基本的な動きの習得の重要性を示した幼児期運動指針が策定され、さらに2017年に改訂された幼稚園教育要領の領域「健康」においては、幼児が多様な動きを経験できるよう指導することが明記されている。このように近年では、幼児の基本的な動きの習得に向けた様々な施策がなされており、幼児の基本的な動きの習得状況が改善している可能性が考えられる。しかし、2007年以降、今日の幼児の基本的な動きの習得状況を捉えた研究は少なく、今後、幼児の基本的な動きの習得に向けた施策を考える場合、情報の蓄積が必要となる。また、1985年が体力・運動能力がピークであったことを考慮すれば、1985年を基準とすることでより詳細に今日の幼児の基本的な動きの習得状況が把握できると考えられる。
 そこで、本研究は1985年の幼児との比較から、今日の幼児の基本的な動きの習得状況を捉えることを目的とした。 東京都の公立保育園に在園する年少児から年長児までの111名(男児58名、女児53名)を対象に、中村ほか(2011)が設定している7つの基本的な動きを撮影し、熟練した評価者2名が評価基準をもとに7つの動きを評価した。評価基準は5段階から成り、1点から5点までの得点を付し、7つの合計得点を動作発達得点として、性別・学年別に1サンプルのt検定を実施した。
 その結果、平均台移動動作の男女の年少児と女児の年中児を除き、有意差が認められ、1985年が高値を示した。今日の幼児の基本的な動きの習得状況は依然として停滞していることが示唆された。