[09方-ポ-27] バスケットボールにおけるリバウンド技能の専門種目別縦断的変化
線型混合モデルによるバスケットボールリバウンド技能の専門種目別学習効果の検討【緒言】体育系大学のバスケットボールの授業でも基礎的スキルを測定するためにスキルテストが用いられるが、各自が専門種目を有しており、このことが授業での学習効果にも影響を与えることが考えられる。そこで本研究では専門種目別リバウンド技能の学習効果について検討する。ただし、同一種目を専門とする者同士はお互いに同様の練習をしていることを考慮して、線型混合モデルを用いて関連を検討する。【研究方法】F大学の体育系学部のバスケットボールを受講している244名を対象にリバウンド技能テスト(バックボードにトスし、跳ね返ってくるボールを空中で捕球して、再度トスをする。これを30秒間繰り返し、バックボードに当たった回数を記録する)を行った。その際、部は「バスケットボール」「球技」「球技以外」「無所属」「体育系以外の学部」に分類して分析した。これらの個人の繰り返し、部、部の系列は入れ子構造になっているため、これらを変量効果とし、時期(授業の前後)、性別、その交互作用を固定効果とした線型混合モデルにより関連を分析した。【結果】変量効果のみのモデルと性と時期を固定効果として組み込んだモデルの逸脱度分析の結果、有意な適合度がみられた(χ2=93.28, df=3, p<0.001)。さらに、尤度比検定を用いて説明変数の選択を行った結果、時期と性別の交互作用の固定効果、部の系列の傾きの変量効果を除いたモデルが選択された。また、変量効果の級内相関係数は部の切片が0.732、個人の時間との交互作用(傾き)が0.758、切片では0.724と高かったが、部の切片では0.241と低かった。つまり、リバウンド技能の伸びは個人と部系列の影響が大きく、各部のバラツキは小さかった。固定効果については、男子と時期の偏回帰係数が各々5.65、2.38で、「男子と時期の交互作用」は有意ではなく、もともと男子の方が女子よりも優れ、授業の効果は全体として一様に男女で効果があった。