[08測-ポ-04] ジュニア競泳選手の暦年齢とレースペースの特徴について
競泳は規定の距離をいかに速く泳ぐかを競う競技である。選手がレースでより良いパフォーマンスを発揮するためには、ペース配分を考慮しなければならない。選手やコーチは計測された競技成績をもとにトレーニングやレース戦略、次のレースの目標設定について確認する。国内トップレベルの選手はレースごとに詳細なパフォーマンス指標を分析スタッフなどから提供されているが、それ以外の選手が同様の指標を得る機会は多くはない。ジュニア選手においては泳記録とともに折り返しごとのラップタイムも競技パフォーマンスやトレーニング効果を評価する重要な指標となっている。そこで本研究では、ジュニア選手の競技パフォーマンスデータを比較し、発育発達世代のトレーニングに有用な情報を得ることを目的とした。過去5年間の全国JOCジュニアオリンピックカップの男子自由型3種目(100m、200m、400m)の決勝参加者(11歳〜18歳)の記録を分析対象とした。種目毎に、50m毎の競技成績を従属変数、ラップと年代を独立変数とする二要因分散分析により分析した。その結果、すべての種目において、ラップ×年代の交互作用に有意性は認められず(効果量 偏イータ2乗が0.03未満)、競泳自由形種目は年代にかかわらず同じようなレースペースであることが明らかとなった。ジュニア競泳選手の競技力向上には、基本的な泳能力に加えて、適切なペース配分を習得することが重要であることが確認された。