[08測-ポ-07] 足関節が疾走速度に与える影響
走るという動作は、ヒトにとって最も基本的な運動であり、様々なスポーツにおいて速く走ることが基本的な運動能力の一つとして重要視されている。足関節を固定することにより、接地中の関節角度変位が少なくなり、パフォーマンス向上の重要な要素になると考えられるが、足関節の可動域が直接パフォーマンスに影響されるかは明らかになっていない。本研究では、足関節の柔軟性と疾走速度の関係について検討し、スプリント走の技術向上のための一助になることを目的とした。被験者は年代性別の異なる40名(小学2年生1名、小学3年生2名、小学4年生10名、小学5年生6名、小学6年生5名、中学1年生4名、中学2年生6名、高校1年生1名、高校2年生1名、大学2年生1名、大学3年生1名、大学4年生2名)とした。被験者には、アンケート調査として、身長・体重・100mの自己ベスト記録について調査した。測定方法は、床に長座の姿勢で座らせ、足関節の背屈・底屈の角度をゴニオメーターを使用して計測した。尚、腓腹筋やヒラメ筋が地面に触れることで足関節の背屈・底屈の角度に影響がないように膝の下に枕やタオルを敷いて計測した。年齢と疾走速度の関係は統計上有意に負の相関関係が認められた(P<0.01)。また、底屈角度と疾走速度関係は、統計上有意に正の相関関係が認められた(p<0.05)。しかし、背屈角度と疾走速度の間には、統計上有意な相関関係は認められなかった。