[09方-ポ-02] 運動指導における代行形態の構成化に関する発生運動学的研究
体操競技の平均台における側方倒立回転の指導を例証として
スポーツコーチング活動において、選手の技能向上が重視されることはいうまでもない。ここで述べている技能向上とは、選手による達成記録向上のみを意味するのではない。むしろ、そのような達成記録を生み出した選手自身が「できるようになった・上手くなった」と疑いなく感じられるようになっていく変化の道程こそ重視されるべきであろう。このようにコーチング活動において指導者は、運動を行う選手の意識に働きかけながら技能向上を促すことが求められる。この際の指導者の能力は、発生運動学において促発身体知と呼ばれている。促発身体知は「観察・交信・代行・処方」という相互に関連しあっている4つの能力領域から構成されている。
本研究では、体操競技の平均台における側方倒立回転の指導において指導者が「代行形態」を構成化する際に妨げとなったできごとについて発生運動学的立場から考察する。具体的には、「代行分析」を行う際には、「指導者が有している方法論的知識を一度、判断停止する必要がある」ということを例証分析によって明らかにする。
本研究では、体操競技の平均台における側方倒立回転の指導において指導者が「代行形態」を構成化する際に妨げとなったできごとについて発生運動学的立場から考察する。具体的には、「代行分析」を行う際には、「指導者が有している方法論的知識を一度、判断停止する必要がある」ということを例証分析によって明らかにする。