The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » 体育心理学

体育心理学(奇数演題) ポスター発表

Fri. Sep 2, 2022 10:00 AM - 11:00 AM 第一体育館バレーボール1 (第一体育館バレーボール)

[03心-ポ-01] 指導者からの欲求支援・阻害行動が競技スポーツにおける心理社会的スキルの般化におよぼす影響

基本的心理欲求の充足や不満に着目して

*Yuki Yabunaka1, Ryo Kametani1,2, Hironobu Tsuchiya3 (1. OSAKA UNIVERSITY OF HEALTH AND SPORT SCIENCES Graduate School of Sport and Exercise Sciences, 2. Faculty of Commerce, University of Marketing and Distribution Sciences, 3. School of Health and Sport Sciences, Osaka University of Health and Sport Sciences)

競技スポーツを通じたライフスキル(Life Skills:LS)獲得のプロセスについて、競技スポーツにおける心理社会的スキル(Psychosocial Skills used in Competitive Sport:PS-CS)がスポーツ以外での生活場面に般化することでLSになると考えられている。そして、Life Development Intervention/ Basic Needs Theoryモデル(Hodge et al., 2013)に基づくと、競技スポーツを通じたLS獲得において、競技スポーツにおける基本的心理欲求(Basic Phycological Needs in competitive sport:BPN-CS)がPS-CSの般化の要因となり、BPN-CSには指導者からの欲求支援・阻害行動が影響を及ぼすと推察される。そこで本研究の目的は、指導者からの欲求支援・阻害行動(肖・外山,2020)がBPN-CSの充足・不満(Nishimura and Suzuki,2016)に影響を及ぼし、さらに島本ほか(2013)の枠組みに基づいたPS-CSの般化(藪中ほか,2022)に及ぼす影響を検討することとした。調査は2時点での縦断調査を実施し、分析対象者は大学生アスリート144名(男性103名、女性44名、平均年齢19.7±1.0歳)であった。分析は共分散構造分析を実施した。その結果、指導者からの欲求支援・阻害行動がBPN-CSの充足・不満のそれぞれに正の影響を及ぼしていた(順に、β=.46、p<.01/β=.61、p<.01)。そして、「ストレスマネジメント」「感謝する心」「コミュニケーション」「礼儀・マナー」「最善の努力」「責任ある行動」「謙虚な心」の各スキルの般化に対して、BPN-CSの充足が正の影響(β=.25―.46、p<.05もしくはp<.01)、不満が負の影響(β=-.22―-.42、p<.01)を及ぼしていた。「目標設定」「体調管理」に対しては、BPN-CSの充足が正の影響(順に、β=.43、p<.01/β=.26、†<.10)を及ぼしていた。「考える力」については、共分散構造分析における適合度指標が十分な値を示さなかった。以上から、BPN-CSの充足や不満は指導者からの欲求支援・阻害行動による影響を受けることが示唆された。そして、PS-CSの般化の促進要因はBPN-CSの充足であり、阻害要因は不満であることが一部示された。