The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » 体育心理学

体育心理学(奇数演題) ポスター発表

Fri. Sep 2, 2022 10:00 AM - 11:00 AM 第一体育館バレーボール1 (第一体育館バレーボール)

[03心-ポ-13] コロナ禍での混在した授業形態のスポーツ実習科目“ヨガ”が大学生の心身に与える影響

*Ai Yamauchi1, Akiko Higashiyama2 (1. Kobe Athlete Town Club, 2. Osaka University of Commerce)

新型コロナウイルス感染症の流行は高等教育の授業実施形態にも大きく影響を与えた。スポーツ実技科目は、教員と学生が対面で身体動作を伴って実施することを前提としてきたことから、それらに代わる授業展開にあたっての課題は大きい。本研究では、大学でのスポーツ実習科目「ヨガ」において、遠隔授業と対面授業が混在した形態での実施が学生の心身に与えた影響から、遠隔授業を含めたスポーツ実技科目の効果と課題について検討することを目的とする。
 遠隔授業時は、30~40分の実技(Zoom・録画動画選択制)、スライド資料による座学、レポート課題作成の3項目について、予習・事前学習、実践、振り返りの展開にて実施した。 授業後のアンケートから、受講により向上・改善を実感したと回答した上位5項目を挙げる。授業の3分の2が遠隔授業であった2021年前期は、①身体の柔軟性、②心身のリフレッシュ、③肩こり、④姿勢改善、同率⑤疲労回復、集中力向上、体幹の安定であった。15回全て対面授業を行った2021年後期は、①姿勢改善、同率②身体の柔軟性、心身のリフレッシュ、同率③集中力向上、体幹の安定、④疲労回復、⑤肩こりであった。
 事前アンケートで得た、受講により向上・改善したいと思う心身の状態との回答の違いに差異が大きかった項目について、前期は「柔軟性向上」が増加しており、後期は「集中力向上」と「心身のリフレッシュ」に増加がみられた。遠隔授業では人目を気にせずに課題に取り組めることから柔軟性の向上につながったと考えられ、「集中力」や「リフレッシュ」の精神面の関与が大きい内容は対面授業での統制された環境が貢献したと思われる。「体幹の安定」、「疲労回復」、「肩こり」は前期後期とも高く、ヨガの授業特性と言える。内面や感性の気づきについては、遠隔授業でも瞑想やヨガ哲学を取り入れることで補える可能性が示唆された。