The 72nd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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専門領域別 » 体育心理学

体育心理学(偶数演題) ポスター発表

Fri. Sep 2, 2022 11:00 AM - 12:00 PM 第一体育館バレーボール1 (第一体育館バレーボール)

[03心-ポ-08] アスリートのイメージの質と試合での実力発揮の関係

*Kisho Zippo1 (1. Japan Institute of Sport Sciences)

スポーツ場面おけるイメージは、競技力向上や試合での実力発揮への寄与が示されている。しかし、イメージには「失敗するイメージが拭えない」などネガティブな側面も存在する。また、試合結果によっては、それ以前に想起していたイメージの捉え方が変わっている可能性があり、イメージと実力発揮の関係を試合後の振り返りのみで検討するには限界がある。そこで本研究では、アスリートの様々なイメージの質と実力発揮の関係を明らかにすることを目的とし、試合前から試合後までの縦断的なイメージの質の調査と、試合結果の関係性について調査を行った。調査対象者は、現役トップアスリート12名であった。イメージの質に関する調査は、各アスリートの試合日を起点に、①試合1週間前、②試合前夜、③試合当日朝、④試合直後に実施した。①〜③では、「試合で実力発揮をできるイメージはどの程度できていますか?」等への回答(5件法)と、イメージの内容について自由記述にて回答を求めた。④では「試合前、実力を発揮するイメージをどの程度できていましたか?」等、①〜③時点でのイメージの質に関する振り返りを求めた。その結果、③のイメージの質と、試合結果間に相関が認められ、特に試合直前でのイメージの質の重要性が示唆された。さらに興味深い結果としては、試合結果が良かったアスリート1名において、②と③のイメージの質の得点が低かったにも関わらず、④の調査では、試合前のイメージの質の得点を実際の得点よりも高く振り返った。つまり、試合結果が良かったため、ポジティブなイメージを想起していたと捉えた可能性がある。また、試合前に実力発揮できるイメージがあまりできていなかったものの、技術面に焦点を当てたイメージを想起していた。以上から、ネガティブなイメージが想起される場合には、技術面に焦点を当てたイメージを想起することで、試合での実力発揮につながる可能性が示された。