[10保-ポ-02] 学生アンケートからみるオンデマンド型大学体育授業の効果
目白大学新宿キャンパスでの検討
新型コロナウイルス感染症の拡大により、大学体育授業においてオンライン授業での実施が余儀なくされた。今後も遠隔授業が対面授業と併行し、実施される可能性を鑑みると、受講者の意見や授業評価といった客観的な評価が必要である。本調査では、オンデマンド型体育授業の受講者を対象にアンケート調査を行い、動画や種目に対する評価や受講理由、授業課題の実施状況を明らかにするとともに、授業の効果や今後の課題を検討することを目的とした。対象者は、2021年度前期、1年生必修科目「生涯スポーツ1・全遠隔クラス」を受講し、調査協力が得られた43名であった。種目は、1人でき、特殊な器具を必要としないウォーキング、ヨガ、エアロビックダンス、体幹トレーニング、高強度インターバルトレーニングを行った。結果、各種目の動画や内容の評価は、総合的に高かった。受講者の受講理由として「通学をしなくて良い、有効に時間を使える」が最も多く、授業課題の実施状況については、取り組む曜日を決めていた者は約80%であった。このことから、本授業のオンデマンド型体育授業は、受講者にとって有効に時間が使え、また運動を習慣化しやすいといった効果があると考えられる。また、受講者同士の交流を望む者と中高体育授業の好き嫌いとの関連を検討した結果、中高体育授業の好き嫌いで、否定的回答者は肯定的回答者よりも、受講理由では「人目を気にすることなく運動ができる」の割合が高く、受講者同士の交流についても否定的回答者の割合が高かった。このことから、体育授業に苦手意識のある者にとって、からだを動かすことは好きだが、周囲の目に晒される対面授業は前向きに取り組みにくい、あるいは体育授業そのものが嫌いで交流がしたくないといったことが考えられるが、本調査では、明らかにすることはできなかった。今後は、この点を解明し、運動強度や難易度を検討していく必要があると考えられる。