日本体育・スポーツ・健康学会第73回大会

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生涯スポーツ研究部会 » 【課題A】共生社会の実現に向けた生涯スポーツ政策と協働システムをいかに構築するか

生涯スポーツ研究部会【課題A】口頭発表①

2023年8月30日(水) 10:20 〜 11:04 RY305 (良心館3階RY305番教室)

座長:後藤 光将(明治大学)

10:35 〜 10:49

[生涯スポーツ-A-02] Jリーグクラブのスクールに通わせる保護者の満足度特性(測)

FC岐阜を対象に

*難波 宏明1、大坪 健太2、春日 晃章3 (1. 岐阜大学大学院、2. 岐阜協立大学、3. 岐阜大学)

本研究は、FC岐阜が運営するサッカースクールに通う子どもの保護者を対象に、サッカースクールに対する満足度特性を明らかにすることを目的とした。対象は、FC岐阜が運営を行うサッカスクールに通う子ども(幼稚園・保育園児:35名および小学生245人)の保護者280名であった。調査はFC岐阜の協力のもとWEBアンケートにより実施し、クラブを通じて保護者に調査票を配布し5件法により回答を得た。調査票は先行研究を参考に作成し、フェイスシートおよびサッカースクールへの満足度に関する3要素(満足度、要望、不安)計23項目から構成された。保護者のサッカースクールへの満足度特性を検討するために、クロス集計表の作成およびχ2検定を用いた。χ2検定において有意な関連が認められた場合には残差分析を行った。χ2検定の結果、教育的指導、技術指導、設備・環境および開催頻度の4項目において有意な関連が認められた。残差分析の結果、いずれの項目においても「とても満足」と感じている保護者は総合満足度が「とても満足」である割合が高かった。不安要素に関して、金銭面および日程面の2項目において有意な関連が認められた。残差分析の結果、総合満足度が相対的に低い保護者において金銭面に関する不安感が強い割合が有意に高く、不安感が弱い割合が有意に低かった。また、総合満足度が相対的に高い保護者において日程面に関する不安感が強い割合が有意に低く、不安感が弱い割合が有意に高かった。これらのことから、我が子をサッカースクールに通わせる保護者の満足度向上のために、教育的指導や技術指導といった個別の要因に関するサービスおよび設備・環境の充実はもちろん、他の習いごととの兼ね合いもふまえた金銭面や日程面での不安の軽減を図ることが重要であると推察された。