The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Oral (Theme)

学校保健体育研究部会 » 【課題B】保健体育授業をいかに良質なものにするか

学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表③

Wed. Aug 30, 2023 11:25 AM - 12:24 PM RY203 (良心館2階RY203番教室)

Chair: Yuichi Hara

12:10 PM - 12:24 PM

[学校保健体育-B-12] 力強く打つ楽しさを味わう小学校3年生のベースボール型授業(教)

体重移動とスイングの軌道に着目して

*Masaki Saito1 (1. Yamaguchi Univ.)

ベースボール型ゲームでは、打つことの面白さや楽しさが学習の原動力となる。子どもたちには打つ喜びを十分に味わわせることが重要となる。そのためにはボールの種類やバットなどの用具を工夫したり、ピッチャーの投げたボールではなく止まったボールを打つなど、必要に応じてルールを工夫したりすることが大切である。現行の小学校学習指導要領(文部科学省,2017)の中学年の「ベースボール型ゲーム」でも、バットだけでなく手やラケットを使ってボールを打つことが例示されており、技能を緩和しながらも、ゲームの楽しさや喜びに触れ、易しいゲームをできるようにすることが求められている。それをふまえ、ベースボール型の授業研究では、守備的局面に焦点を当てたものや、バットを使わずに打撃を行うものが多く行われている(濱田,2018; 松本ら,2013; 竹内ら,2006;山本,2019;)。一方、佐々木(2015)は、子どもたちにとってのベースボール型の魅力や楽しさは、ボールを思い切り打つことや、一人ひとりに打席が保証され、ゲームの主人公になり得ることだと述べている。そのためには、「ボールを打って遠くへ飛んだ」「自分の打球が得点に結びついた」といった運動の楽しさや、「以前より強く打てるようになった」といった技能の高まりを十分に保証することが必要だとしている。
 本研究では、ボールを遠くへ飛ばす技能に着目し、「体重移動のあるバッティング」、「地面と平行なスイング軌道」の2点を中心に、初めてベースボール型に取り組む小学校3年生を対象に授業を展開した。本研究の成果を明らかにするために、バッティングの飛距離とバッティング動作、スイングの軌道、打球の角度などから授業成果を検討した。