9:00 AM - 9:14 AM
[学校保健体育-B-21] 教育実習事前指導における球技指導の時間配分を上達させる要因(体育科教育法)
5分間のマイクロティーチングの省察の記述から
【目的】マイクロティーチング(以下MT)は教育実践力の向上のための手法として活用されている。本研究では教員を目指す学生が教育実習までの実践的授業を通して指導力の向上の程度を明らかにする一環として、5分間のMTの実施後に行った省察における時間配分の記録から、球技指導における時間配分を上達させる要因を検討することを目的とする。【方法】2018〜22年度の教職課程授業の1つである教育実習Iの集中講義で、保健体育教員免許を取得予定であり、教育実習を控えた大学3・4年生436名を対象に、バレーボール、サッカー、ハンドボールの中から1種目を指定し、5分間のMTを実施した。講義後、省察として設問「MTを行うとき、時間配分をうまくするために、どのようにすればよいと思いますか。」の自由記述内容について、テキストマイニング(KH-Coder)を施した。抽出語(自動上位150語、強制37語、除外「時間」「時間配分」の2語)について共起ネットワークによりその関係を分析した。なお、2018-19年の学生(Ⅰ群)は事前の学習でMTの経験があったが、2021-22年の学生(Ⅱ群)はMT経験がないため、個々に解析した。【結果・考察】共起ネットワーク図の上位30位の出現語のJaccard係数は0.125以上であった。両群とも準備段階・実践中に関わる語群が出現した。「時計」「生徒」に関する語群はⅠ-Ⅱ群とも出現したが、「指導案」「説明」に関係する18語の語群はI群だけに出現し、「こまめ」「伝える」「ポイント」など、指導に直結する具体的な語が含まれていた。Ⅰ群は本講義前に1回以上MTを経験していたため、具体的な要因を挙げられていたと考えた。【結論】5分間のMTで学生は時間配分の要因として、準備段階と実践中の要因を挙げることができる。MTの事前経験がある場合に観点がより具体的になる。