11:04 AM - 11:19 AM
[11教-口-10] 通信制高校の保健体育科に関わる制度と研究の動向
添削指導と面接指導の取り扱いに着目して
本研究の目的は、通信制高校の保健体育科に関わる制度と研究の動向を明らかにし、今後の実践上の課題を示すことである。 通信制高校は、1949年に就業等のため、全日制高校を進学できない青年に教育の機会均等を実現することを目的に発足したが、74年の月日が経過し、現在では勤労青年の数は減少している。その一方で、不登校経験や中途退学など、多様な生活課題を抱える生徒が増加し、その受け皿として関心が寄せられ、生徒数・学校数ともに増加している。また、スポーツの競技力を高め、アスリートして活動することを視野に入れた生徒や芸能活動に注力する生徒も増えてきている。このように通信制高校の需要が高まる中で、文部科学省は通信制高校の学校管理体制の見直しを時代に即して行ってきた。しかしながら、これまで通信制高校に特化した研究は少なく、また、教科のカリキュラムマネジメントが各学校に任せられてきた経緯もあり、保健体育科に着目した研究もわずかで、その実態や課題は明確になっていない。 そこで本研究は、通信制高校の歴史的背景や、現在の生徒数・学校数の実状を整理するとともに、全日制高校や定時制高校との比較を行うことで、通信制高校のもつ添削指導と面接指導による教育という特徴を明らかにする。次に、学習指導要領の変遷を分析し、保健体育科とそれ以外の教科における添削指導と面接指導の取り扱いを比較し、保健体育科の特徴を明確にする。最後に、CiNii Articlesと、全国高等学校通信制教育研究会の記録から通信制高校の教育実践に関する先行研究を抽出し、添削指導と面接指導の取り扱いに関わる研究動向を整理する。これらの研究を踏まえて、通信制高校の保健体育科に期待されてきた役割と課題を、添削指導と面接指導の取り扱いに着目して明らかにする。詳細は、当日に報告する。