[03心-ポ-43] 女子大学生アスリートの月経に対するイメージと認知的評価が月経周期の身体的・心理的な月経随伴症状に及ぼす影響
女子大学生バレーボール選手を対象として
月経は女性特有の生殖生理機能である.特に月経周期による女性ホルモンの変動は,女性アスリートの心身のコンディショニングを困難にさせる一因であり,運動パフォーマンスに影響を与えることが示唆されている(2000,藤原).月経随伴症状には,前述した月経痛などの身体症状の他に,ストレス・憂うつといった心理的症状もあり,心身のコンディショニングにおける月経の影響を検討する上では両症状を含めて検討することが重要と考える.そして,月経随伴症状に影響を与える要因として,月経に対するイメージや認知的評価が月経随伴症状に影響を及ぼすことが示唆されている. そこで,本研究は女性大学生アスリートを対象に,月経に対するイメージや認知的評価が,月経周期に伴って引き起こされる身体的および心理的な随伴症状にどのような影響を及ぼすかを検討することを目的とした. 対象者は,正常な月経周期を有する大学女子バレーボール競技者11名であった.対象者の月経に対するイメージや認知的評価の測定には,伊藤・杉本(2010)の月経イメージ尺度,佐々木ら(2014)の月経および月経随伴症に対する認知的評価尺度を用い,月経周期に伴う月経関連症状については秋山・茅島(1979)の月経随伴症状日本語版(日本語版MDQ)を用いて評価した.そして,月経イメージと月経および月経随伴症に対する認知的評価の関係性について,Pearsonの積率相関係数を用いて分析を行なった.その結果,月経に対する肯定的イメージと月経および月経随伴症に対するコントロール可能性に中程度の正の相関関係が認められた(いずれもr<.60,p<.05).すなわち,月経に対して肯定的イメージを持っているほど月経に対するコントロール感を高く認知することが示唆された.大会当日は月経に対する捉え方が心理的・身体的な月経随伴症に及ぼす影響についての分析結果を発表する.