[03心-ポ-26] 中学校体育授業における自己調整学習の予備的検討
本研究では主体的・対話的で深い学びを自己調整学習と位置づけ,中学校体育授業における自己調整学習について検討することを目的とする.調査は,中学校に在籍する1年生133名(男子64名,女子69名),2年生133名(男子68名,女子65名),3年生131名(男子63名,女子68名),学年と性別が不明1名,計398名を対象に行った.自由記述は,自己調整学習の理論に基づき,3つの学習過程における行動や考えていることについて回答を求めた.3つの学習過程は,予見段階(はじめ),遂行コントロール段階(展開),自己省察(まとめ)であった.得られた自由記述に対して,スポーツ心理学を専門とする教員1名と,保健体育科教育を専門とする教員1名,教育学部の学生8名で,項目をカテゴリーに分類した.分析の結果,予見段階は,目標設定,課題の再確認,意欲の向上の3つのカテゴリーに分類された.遂行コントロール段階は,課題への挑戦,観察学習,イメージ,試行錯誤,モニタリング,仲間との協同の6つのカテゴリーに分類された.自己省察は,自己評価と適応の2つのカテゴリーに分類された.今後は,得られたカテゴリーをもとにして,体育授業における自己調整学習を測定する尺度の開発を行うことが必要となる.