The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » バイオメカニクス

バイオメカニクス/ポスター発表

Fri. Sep 1, 2023 1:30 PM - 2:30 PM RY205 (良心館2階RY205番教室)

[05バ-ポ-02] 10kmクロスカントリーローラースキー中による滑走方法の選択とレースタイムとの関係

*Yasunori Fujito1, Yu Kashiwagi2, Tomoya Hirano1, Natsumi Furuta1, Mari Soma3, Kazuo Funato4 (1. Graduate School of Sports System, Kokushikan University, 2. Institute of Sport Science, Senshu University, 3. Jumonji University, 4. Kokushikan University)


【背景】クロスカントリーローラースキー(XC)は、勾配のあるコース設定でタイムを競い合う競技である。レースタイムの向上には、登りおよび平地での滑走速度を高めることが重要と報告されている。XCのクラシカル種目は、主にダブルポーリング走法(DP)、ダイアゴナル走法(DIA)、キックダブルポーリング走法(KDP)によって構成される。滑走方法によって得られる滑走速度と生理学的運動強度が異なるため、各選手は、自身の能力に応じて滑走方法を選択する。近年、短距離のXCレースが行われており、滑走速度を高く維持するためには滑走方法の選択がより重要になると考えた。 【目的】上位選手と下位選手における10kmXC中の滑走方法の割合の違いを明らかにする。 【方法】大学XC選手8名(年齢:20±1歳)の対象者は、背中にGPSおよび加速度センサーを装着し、10kmXC競技大会に参加した。得られた加速度データは先行研究を参考に加速度データの特徴から滑走方法の分類をした。対象の勾配は、登り(勾配:4。0%)、平地(勾配:0%)とした。 【結果および考察】本研究ではレースタイムと両勾配の滑走速度との関係は認められなかった。平地の滑走方法の割合は、上位選手、下位選手ともにDPが98%以上であった。また、登りの滑走方法の割合において、上位選手は、DPが53%、KDPが5%、DIAが42%であり、下位選手はDPが73%、KDPが27%、DIAが0%であった。これは、本研究の対象レースが10kmと短い競技であったため、下位選手はDPをより多用し滑走速度を高く維持しようとした可能性が考えられる。一方で、上位選手は今回対象としなかった勾配において、下位選手との差を広げた可能性が考えられる。 【結論】短距離のレースにおける登りの滑走において、上位選手は複数の滑走方法を選択するが、下位選手はDPを用いる傾向であった。