[04生-ポ-06] 若年男性トレーニング経験者による意識集中の違いが下肢の 多関節レジスタンストレーニング時の大腿四頭筋活動に及ぼす影響について
身体動作において、身体を意識して動作を行うことを内的集中、身体の外にある対象物を意識して動作を行うことを外的集中と言う。過度な筋活動の抑制や動作の協調、経済性という点から、筋力発揮や速度、持久力などのパフォーマンスでは外的集中が支持されている。一方、レジスタンストレーニング(以下:RT)習慣のない被検者を対象とした長期的なRTにおける筋肥大では、部分的に内的集中を支持する研究が存在しているが、下肢は上肢と比較して内的集中を適用し難いという感想があった。そこで本研究は、意識集中の違いが下肢多関節RT時の大腿四頭筋の筋活動に影響を及ぼすのかについて検討した。被検者は18歳から25歳程度、少なくとも3年、週2回程度の全身のRT習慣のある健常な若年男性ボランティアであった。被検者の脚を左右でランダムに内的集中脚・外的集中脚とし、50%・80%1RMでのマシンレッグプレスを用いた片脚膝・股関節伸展運動をそれぞれ4レップ行った。内的集中脚では「大腿四頭筋の収縮を意識して行う」「筋肉を絞るように」、外的集中脚では「筋肉を意識せずフットプレートを蹴るように挙上する」という注意付けをした。対象部位は外側広筋とし、SENIAMが推奨する電極設置位置に準じた。筋電図測定にはワイヤレス筋電センサ(スポーツセンシング社製)を用い、同時にVITRUVE(Vitruve Fit社製)を用いて挙上速度の測定を行った。筋電図は等尺性単関節膝伸展運動における最大随意的筋収縮(Maximum Voluntary Contraction :MVC)時の積分筋電図に対する比率(%MVC法)で正規化した。速度については、各群の挙上速度の平均値と、各被検者の外的集中時に対する内的集中時の速度の割合を算出した。本学会大会ではこれらの結果とともに、意識集中が筋肥大を目的としたRTにおいて活用できるのかについて発表する。