[04生-ポ-18] 月経周期が持久性運動時の胆汁酸に及ぼす影響
【背景】胆汁酸は、脂肪の消化吸収さらにはエネルギー代謝に関与しており、運動によって変動する。エストロゲンは、胆汁酸を増加させることが報告されている。女性は月経周期を有しており、エストロゲンは約1ヶ月の周期で大きく増減するが、その影響や運動時の胆汁酸の変化については明らかになっていない。【目的】月経周期が持久性運動時の胆汁酸の変化に及ぼす影響について検討した。【方法】定期的に運動を実施している健康な女性11名(年齢:20.4±0.6歳、身長:157.9±1.3 cm)を対象とした。卵胞期前期(E-FP)、卵胞期後期(L-FP)、黄体期(LP)にそれぞれ最大作業負荷容量の70%強度で60分間の自転車運動を実施した。実験室に来室後すぐに形態および体組成(体重、骨格筋量、体脂肪率)の測定を行った。また、運動前、運動終了直後、運動終了60分後に採血を行い、エストラジオール、プロゲステロン、総胆汁酸を測定した。【結果】実験時の月経周期は、29.9±0.6日であった。E-FP、L-FP、LPの実験日は、それぞれ5.3±2.5日、14.8±4.4日、24.5±3.4日であった。形態および体組成は、各フェーズ間に有意な差はみられなかった(体重:p=0.29、骨格筋量:p=0.99、体脂肪率:p=0.46)。血清エストラジオールは、運動前、運動終了直後、運動終了60分後においてE-FPに比べてL-FPおよびLPで有意に高値を示した(p<0.01)。血清プロゲステロンは、運動前、運動終了直後、運動終了60分後においてE-FPおよびL-FPに比べてLPで有意に高値を示した(p<0.01)。しかし、血清総胆汁酸は、運動前、運動終了直後、運動終了60分後において各フェーズ間に有意な差はみられなかった(p=0.56)。【結論】持久性運動時における総胆汁酸の変化は、月経周期の影響を受けなかった。