[04生-ポ-20] 若年男性におけるレジスタンストレーニングに付加するフォームローリングが筋肥大効果に及ぼす影響
近年、運動中の筋長と筋肥大効果に着目した研究が増えている。関節可動域(ROM:Range of Motion)を広げた状態でレジスタンスエクササイズ(Resistance Training:RT)を行うと、筋肥大効果が高まることが先行研究で示されている。一方、フォームローリング(Foam Rolling:FR)はパフォーマンス発揮に負の影響を与えないと同時に、ROMを広げることが明らかにされている。したがって、RTにFRを加えると更なる筋肥大効果を得られると考えられるが、この点について検討した研究は我々の知る限りない。そこで本研究はFRを用いてROMを増加させた状態でRTを行うことが筋肥大に対して付加的な効果を及ぼすか否かについて検討することを目的とした。本研究は8名の若年男性を対象に、週2回、10週間のRTを行わせた。対象筋群はハムストリングとし、レッグカールマシンを使って、片脚ずつトレーニングを行わせた。各被験者の左右の脚をランダムにトレーニング前にFRを実施する脚(FR脚)とFRを実施しない脚(RT脚)に設定して、各脚の最大挙上重量(1RM)の70%の重量で、10回反復を1セットとし、各脚で5セットずつ行わせた。FR脚はRT前後に2回、FRを行わせた。FRは被験者の自体重でハムストリングに圧力をかけながら、60秒を5セット行わせた。ハムストリングの筋量は超音波診断装置を用いて測定し、ROMは角度尺を使用して測定した。測定した結果から、筋量、ROMそれぞれトレーニングに伴う変化率を算出し、FR脚とRT脚の変化率の差異を対応のあるt検定を用いて分析した。FR脚については、トレーニングに伴うROMの変化率と筋量の変化率との関連性を検討するため、ピアソンの積率相関分析を行なった。本学会大会では、RTにFRを組み合わせて行うことによって得られる筋肥大効果について発表する。