The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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Poster (Subdiscipline)

専門領域別 » 運動生理学

運動生理学(偶数演題)/ポスター発表

Fri. Sep 1, 2023 11:00 AM - 12:00 PM RY207 (良心館2階RY207番教室)

[04生-ポ-28] バスケットボールのジャンプシュートにおける両脚着地時の左右非対称性について

非接触型膝前十字靱帯損傷予防の観点から

*Nanamo Takahashi1 (1. Tsukuba Univ.)


膝前十字靱帯(以下、ACL)損傷の受傷機転はジャンプ着地時が76.4%と多く、そのうちの65.4%が左脚であると報告されているが、その原因は明らかにされていない。また、片脚着地と比較して両脚着地ではACL損傷リスクは低下すると報告されている。スポーツ中に行う両脚着地は、人やボール等の外的要因が影響することで足部接地タイミングに左右差が生じる可能性がある。そのため実際の試合での観察が必要である。本研究の目的は、バスケットボールのジャンプシュートにおける両脚着地時に左右非対称性が観察されるかを調査することである。対象者はバスケットボール経験のある女性5名とし、除外条件はACL損傷歴のある者、当日課題動作を行えない者とした。課題動作は垂直跳びとジャンプシュート(以下、シュート)とし、各3回ずつ実施した。フォースプレートを2枚使用し、左右脚の初期接地時間(10Nを越えた地点の時間、以下、IC)、ピーク垂直地面反力(以下、Fz peak)、Impulse 100ms(IC後100msecの力積)を算出した。統計分析にはSPSS ver.27を使用し、左右脚の比較は対応のあるt検定を行った。有意水準5%未満で統計学的有意とした。左右脚のICの絶対時間差は垂直跳びで4.67±3.04msec、シュートで3.27±2.43msecであった。また、垂直跳びとシュートのFz peakとImpulse 100msを左右脚で比較したところ、シュートにおいて右脚のFz peakとImpulse 100msともに有意に大きい結果となった。先行研究において、反対側の手で物体を保持した状態での片脚着地はACL損傷リスクが増加すると報告されている。本研究は、全身運動であるシュート動作において左右非対称性が観察されたため、バスケットボール特有の運動が両脚着地時の左右非対称性を生じさせていると考察できる。