[04生-ポ-32] ポリフェノール含有量の異なるチョコレート摂取がレジスタンス運動誘発性動脈硬化に及ぼす影響
【背景】高強度のレジスタンス運動は動脈スティフネス(硬化度)を増加させることが明らかにされている。一方、ポリフェノール含有量が高い高カカオチョコレートは摂取120分後に動脈機能を改善することから、動脈機能に対して即効性があると考えられる。しかし、ポリフェノール含有量の異なるチョコレート摂取がレジスタンス運動によって増加した動脈スティフネスを低下させるかは検討されていない。【目的】レジスタンス運動前の高カカオおよび低カカオチョコレート摂取が動脈スティフネスに及ぼす影響について検討した。【方法】対象は運動習慣のない健康な成人男性12名(23.1±1.0歳)とし、高カカオ(ダーク)チョコレートまたは低カカオ(ホワイト)チョコレートを摂取する試行をランダムに実施した。レジスタンス運動はベンチプレスとアームカールとし、それぞれ最大挙上重量の80%で5回5セット、70%で10回5セット実施した。摂取前、運動前(摂取60分後)、運動終了直後(摂取90分後)、30分後(摂取120分後)および60分後(摂取150分後)に上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)、頸動脈コンプライアンスおよびスティフネスパラメータβを測定した。【結果】両摂取試行におけるbaPWVは、摂取前と比較して運動直後(摂取90分後)に有意に増加したものの、ダーク摂取試行はホワイト摂取試行と比較して運動30分後(摂取120分後)および60分後(摂取150分後)に有意に低値を示した(p<0.05)。両摂取試行における頸動脈コンプライアンスおよびスティフネスパラメータβは、摂取前と比較して運動直後から60分後(摂取150分後)にかけて低下および増加した。【結論】高カカオチョコレート摂取はレジスタンス運動によって増加した全身性動脈スティフネスを低下させるが低カカオチョコレート摂取はそれを低下させないことが示唆された。