[08測-ポ-31] 大学女子ソフトボール競技者の体力とバッティングパフォーマンスの関係
【背景】日本の女子ソフトボール競技は、過去の世界選手権大会や2020年東京オリンピック競技大会で金メダルを獲得するなど、世界レベルで競技力が高い。ソフトボールは、打撃を主とした攻撃と守備による得点型の競技で、必要な基本動作は「野球」と似ている。しかしソフトボールの魅力は野球と比べて塁間が短く、全てのプレーにおいてスピードが求められ、これらがソフトボールの魅力となっている。投球を打つという事に関しては野球とソフトボール競技は共通しているが、ボールの大きさやバットの形状及び慣性モーメントが異なるため、パフォーマンスや体力要素との関連性については不明な点が多い。野球のスイング速度に関する研究では、スイング速度と握力、背筋力、立ち幅跳び、メディシンボール後方投げ等の項目に相関関係が認められ、特に立ち幅跳びとメディシンボール後方投げとスイング速度との関連性が高いことが報告されている。本研究は、大学女子ソフトボール競技者のバッティングパフォーマンスに着目し、体力要素との関係について明らかにすることを目的とした。 【方法】対象は大学女子ソフトボール選手(関西学生リーグ上位チーム)32名とした。測定項目は、体組成、体力項目(握力・30M走・メディシンボール投げ・スクワット等の推定最大筋力と挙上速度他)とした。バッティングパフォーマンスの測定にはRapsodoを用いて、スイング速度・打球速度・飛距離等を計測した。分析は、各バッティングパフォーマンス項目と体力測定項目間の相関関係を検証した。 【結果】主な結果として、スイング速度とメディシンボール後方投げの間において中程度の有意な正の相関関係が認められた。 よって、バッティングパフォーマンスを高めるためには体幹や股関節伸展に関係する筋力・パワーの強化を図ることが有用と考えられた。