[13ア-ポ-02] ジュニア期ブラインドサッカー選手の体力と運動習慣ついて
新体力テストの結果を中心に
視覚障害者は体力が低く、スポーツへの参加機会も少ないとされる。しかし障害者にとってスポーツ活動への参加機会を得ることは、体力・健康の維持・向上、ストレス軽減や自己肯定感の向上、社会参加の機会獲得に非常に重要である。特にジュニア期(中学生・高校生)にスポーツ活動へ参加することは、発育・発達や社会への参加機会の獲得においてより重要となる。そこで、本研究では、ジュニア期のブラインドサッカー選手の新体力テストの結果と運動習慣のアンケート調査することにより、体力と運動習慣の特徴とその関係を考察することを目的とした。本研究の対象は発表者が代表をつとめるA-pfeile広島BFCに所属する選手4名(平均14.5歳)である。この4名はすべて特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会(以下:JBFA)の強化指定選手である。4名のうち2名が視覚特別支援学校に所属し、2名は普通校に所属している。新体力テストの結果、視覚特別支援学校に所属する選手が、全国平均と比較した際、ほぼすべての項目で低値を示した。特に筋力、瞬発力、巧緻性の項目が低かった。サッカー・フットサルに必要な体力要素として、持久力・筋力・スピード・可動性が挙げられており、筋力の不足が競技力に影響している可能性が示唆される。運動習慣においては、視覚特別支援学校に所属している選手が、学校の部活動や自主的な運動習慣がなく、所属チームやJBFAで行われる練習・大会と学校体育のみであった。これは一般的なジュニア期のアスリートと比較した際、スポーツ活動時間が非常に少ない。日本代表やユース代表であっても視覚障害者のジュニア期のアスリートは体力が低く、スポーツへの参加機会も少ないことが示唆された。定期的なスポーツへの参加機会を持ち、不足している体力要素を改善することで、社会参加の機会を創出するとともに、競技力の向上につながると考えられる。