The 73rd Conference of the Japan Society of Physical Education, Health and Sports Sciences

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体育方法(偶数演題)/ポスター発表

Fri. Sep 1, 2023 2:00 PM - 3:00 PM RY448 (良心館4階RY448番教室)

[09方-ポ-24] バスケットボールの試合におけるチーム得点の個人依存度と勝敗、各シュート項目の関連

2020年度全国大会を対象として

*Yasufumi Ohyama1, Osamu Aoyagi2, Akihito Yaita3, Shinya Tagata4, Ken Nagamine2 (1. National Institute of Technology (KOSEN), Sasebo College, 2. Fukuoka Univ., 3. Kyushu kyoritsu univ., 4. Hitachi High-Tech Cougars)


【緒言】バスケットボールでは、チームの得点が特定の個人に偏る場合や全員が一様に得点する場合がある。本研究では、この個人の得点の偏りを、収入の不平等の程度を表す指標のジニ係数を用いることで、チームの得点の個人依存度と勝敗の関連や、得点に関する項目の個人依存度の関連を検証する。【方法】対象は、2020年度に国内で開催されたトーナメント方式の全国大会で、競技水準の異なるU15の大会、高校の大会、大学の大会、選抜の大会に参加した318チーム、300試合で各試合出場時間が試合全体の1/5以上の選手を「試合に影響を与える選手」と考え、この条件を満たす選手を対象とした。分析には、ボックススコアにある「総得点(以下、PTS)」や「スリーポイント成功数(3PM)」「ツーポイント成功数(2PM)」「フリースロー成功数(FTM)」などの項目を用いた。【結果】まず、「勝利チーム」と「敗北チーム」のPTSジニ係数の平均に対して対応のあるt検定を行った結果、「勝利チーム(平均=43.87)」の方が「敗北チーム(46.13)」より有意に低い値を示した(to=2.16, df=300, p<0.05)。このことから、勝利チームの方がチームの得点の個人依存度は、敗北チームより偏りが小さかった。次に、得点に関する項目の関連を明らかにするために各項目間の相関係数を求め、有意差の検定を行った結果、「PTS」と「2PM」でr=0.71、「PTS」と「FTM」でr=0.40 、「PTS」と「3PM」でr=0.28と1%水準で有意な差が見られた。このことから、チーム得点の個人依存度とシュート成功数に関する項目においては、2PMとの関連が大きく、3PMとの関連が小さかった。【結論】従って、試合に勝つためには、得点する選手の偏りが小さくツーポイントを成功できる選手を擁することが必要であることが示唆された。