[CS4-3] 糖尿病と慢性腎臓病
研修コード:2504
略歴
1985年 岡山大学医学部卒業
1992年 岡山大学大学院医学研究科修了
1992年 岡山大学医学部第3内科助手
1997年 岡山大学医学部附属病院第3内科同講師
1997~1998年 米国ハーバード大学ジョスリン糖尿病センター客員准教授
2006年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学准教授
2009年 岡山大学病院腎臓・糖尿病・内分泌内科 診療科長
2010年 岡山大学病院新医療研究開発センター 教授
2012年 岡山大学病院糖尿病センター副センター長
1985年 岡山大学医学部卒業
1992年 岡山大学大学院医学研究科修了
1992年 岡山大学医学部第3内科助手
1997年 岡山大学医学部附属病院第3内科同講師
1997~1998年 米国ハーバード大学ジョスリン糖尿病センター客員准教授
2006年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腎・免疫・内分泌代謝内科学准教授
2009年 岡山大学病院腎臓・糖尿病・内分泌内科 診療科長
2010年 岡山大学病院新医療研究開発センター 教授
2012年 岡山大学病院糖尿病センター副センター長

CKDには様々な疾患が含まれるが,慢性透析療法の最大の原因疾患は糖尿病性腎症である。近年のわが国では,2型糖尿病患者の増加に伴って糖尿病性腎症からの透析導入が増加し,1998年以降は糸球体腎炎に代わって透析導入原因疾患の第一位を占めている。糖尿病性腎症からの透析導入は年々増加して2015年には約16,000人(全体の43.5%)となっているが,最近数年間はほぼ横ばいの状態である。糖尿病患者の透析導入後の予後は不良であり,糖尿病患者の生命予後とQOLを改善するためには,腎症の発症と進展を予防する必要がある。
糖尿病性腎症の典型的な臨床経過は,初期にアルブミン尿が出現し,たんぱく尿の増加に伴って腎機能が低下して末期腎不全に至る。JDDM研究等の結果から,わが国の2型糖尿病患者の腎症合併率は30~40%と推定されるが,この他に,アルブミン尿が陰性で腎機能が低下する症例が10%あまり存在することが分かっている。糖尿病性腎症を早期に診断するためには,定期的にアルブミン尿を測定することが必要である。上記のように,アルブミン尿が陽性となると腎不全と心血管イベントのリスクが上昇するため,強い治療介入が必要となる。糖尿病性腎症の治療には,血糖,血圧,脂質の厳格な管理とレニン-アンジオテンシン系の抑制,食事療法など,早期から多因子への介入を行う必要である。
本シンポジウムでは,糖尿病性腎症を中心に,CKDの疫学,予防,病態,診断と治療等についてお話ししたいと考えています。