[DP-08] 日本人慢性歯周炎患者における基本治療前後での歯肉溝浸出液中のP. gingivalisおよびEBV DNAの定量変化
Quantitative changes of P. gingivalis and EBV DNA in the gingival crevicular fluid before and after initial preparation in Japanese chronic periodontitis patients
研修コード:2504
Keywords:EBV、P. gingivalis、慢性歯周炎、歯周基本治療、歯肉溝滲出液
【目的】歯周病は,プラーク因子,宿主因子および環境因子の相互作用により惹起される炎症性疾患である。近年,歯周病の発症と進行にEpstein-Barrウイルス(EBV)が,関与する報告が認められることから,我々は,日本人の慢性歯周炎患者からの歯周病原菌とEBVの検出および相互関係について解析した。その結果,慢性歯周炎部位で高いEBVおよびP. gingivalisが定量され,両者は共存して歯周組織の破壊に関与する可能性を報告した。今回我々は,P. g.とEBVの歯周治療前後の変化と臨床パラメータとの関係について解析した。
【材料および方法】初診時,慢性歯周炎患者15名の同一口腔内からアタッチメントロスの無い3mm以下のPPD部位(健常部位)と,5mm以上のPPDが有り,エックス線上で骨吸収を認める部位(歯周病変部位)から,滅菌ペーパーポイントで30秒間,3回歯肉溝滲出液(GCF)を採取した。また,初診から約6か月後の歯周基本治療終了時に,同部位から再度GCFを採取し,DNAを抽出した。基本治療前後におけるP. g.およびEBV DNAゲノムコピー数をreal time PCRで定量し,臨床パラメータと比較検討を行った。
【結果および考察】歯周基本治療後に,歯周病変部位でのBOP(%)およびPPD(mm)の減少が認められ,健常部位と歯周病変部位でP. g.およびEBVの減少が認められた。一方,BOPまたはPPDの改善が認めれなかった症例で,P. g.とEBVの減少が認められなかった症例が複数例あった。以上の結果から,基本治療前後のP. g.とEBVのコピー数と,臨床パラメータの改善度に相関関係が示唆された。
【材料および方法】初診時,慢性歯周炎患者15名の同一口腔内からアタッチメントロスの無い3mm以下のPPD部位(健常部位)と,5mm以上のPPDが有り,エックス線上で骨吸収を認める部位(歯周病変部位)から,滅菌ペーパーポイントで30秒間,3回歯肉溝滲出液(GCF)を採取した。また,初診から約6か月後の歯周基本治療終了時に,同部位から再度GCFを採取し,DNAを抽出した。基本治療前後におけるP. g.およびEBV DNAゲノムコピー数をreal time PCRで定量し,臨床パラメータと比較検討を行った。
【結果および考察】歯周基本治療後に,歯周病変部位でのBOP(%)およびPPD(mm)の減少が認められ,健常部位と歯周病変部位でP. g.およびEBVの減少が認められた。一方,BOPまたはPPDの改善が認めれなかった症例で,P. g.とEBVの減少が認められなかった症例が複数例あった。以上の結果から,基本治療前後のP. g.とEBVのコピー数と,臨床パラメータの改善度に相関関係が示唆された。