[DP-21] 下顎大臼歯部根分岐部病変Ⅲ度を伴う垂直性骨欠損に対して歯周組織再生剤「リグロス®」を用いた一症例
A case report of the regenerative procedure with periodontal tissue regeneration drug(REGROTH®)for a vertical bone defect with class III furcation involvement in mandibular molar
研修コード:2504
Keywords:根分岐部病変Ⅲ度、垂直性骨欠損、リグロス®
【症例の概要】患者は42歳の女性。2017年1月,左下臼歯部の咬合痛,歯肉の腫脹・出血・排膿を主訴に来院。全身的な既往歴,喫煙歴はなし。全顎的に歯肉の腫脹・発赤,縁上・縁下歯石の沈着が見られた。#36には限局して8~10mmの深いポケットが存在し,X線写真では遠心根に根分岐部病変Ⅲ度を含む垂直性の骨欠損像が認められた。
【治療方針】広汎型中等度慢性歯周炎
【治療方針】1)歯周基本治療,2)再評価,3)歯周外科治療(再生治療),4)再評価
【治療経過・成績】歯周基本治療によりプラークコントロールは改善され全顎的な歯肉の腫脹・発赤は消失したが,#36はポケットが残存したため,歯周組織再生剤「リグロス®」を用いた外科処置を実施した。不良肉芽を除去した後,根面処理として24%EDTA製剤PrefGel®を用いて処理しリグロス®を塗布した。術後の再評価ではポケットは減少しX線写真では骨再生が認められた。
【考察・結論】下顎大臼歯部垂直性骨欠損は病変の重篤度が増すと分岐部病変と連続してしまい複雑で大きな骨欠損となるため,これまでに用いられてきたエムドゲイス®やGTR法での対応は困難であった。今回,#36根分岐部病変Ⅲ度を伴う垂直性骨欠損に対してリグロス®を用いたところ,骨欠損部および分岐部の骨再生がX線的に認められた。本症例のように根分岐部病変と垂直性骨欠損が合体したような複雑で大きな骨欠損に対してもリグロス®は有効である可能性があり,今後適切な基剤や骨補填剤との併用により,より理想的な歯周組織の再生が誘導できることが期待される。
【治療方針】広汎型中等度慢性歯周炎
【治療方針】1)歯周基本治療,2)再評価,3)歯周外科治療(再生治療),4)再評価
【治療経過・成績】歯周基本治療によりプラークコントロールは改善され全顎的な歯肉の腫脹・発赤は消失したが,#36はポケットが残存したため,歯周組織再生剤「リグロス®」を用いた外科処置を実施した。不良肉芽を除去した後,根面処理として24%EDTA製剤PrefGel®を用いて処理しリグロス®を塗布した。術後の再評価ではポケットは減少しX線写真では骨再生が認められた。
【考察・結論】下顎大臼歯部垂直性骨欠損は病変の重篤度が増すと分岐部病変と連続してしまい複雑で大きな骨欠損となるため,これまでに用いられてきたエムドゲイス®やGTR法での対応は困難であった。今回,#36根分岐部病変Ⅲ度を伴う垂直性骨欠損に対してリグロス®を用いたところ,骨欠損部および分岐部の骨再生がX線的に認められた。本症例のように根分岐部病変と垂直性骨欠損が合体したような複雑で大きな骨欠損に対してもリグロス®は有効である可能性があり,今後適切な基剤や骨補填剤との併用により,より理想的な歯周組織の再生が誘導できることが期待される。