60th Annual Meeting in Autumn

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臨床(認定医・専門医)ポスター

歯周外科治療

臨床(認定医・専門医)ポスター
歯周外科治療

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

DP-27~DP-36
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-32] 咬合性外傷を伴う慢性歯周炎に歯周組織再生療法を含む包括的治療を行った一症例

A case report of comprehensive periodontal treatment with periodontal regenerative therapy for chronic periodontitis with occlusal trauma

吉永 泰周/Yasunori Yoshinaga (福岡歯科大学口腔治療学講座歯周病学分野/Section of Periodontology, Department of Odontology, Fukuoka Dental College)

研修コード:2504

Keywords:広汎型重度慢性歯周炎、歯周組織再生療法、咬合性外傷

【症例の概要】2015年11月初診の49歳女性。左下歯肉の腫脹を主訴に来院。4-6mmのポケットは29.2%,7mm以上のポケットは8.3%であった。重度慢性歯周炎と診断した。23, 33に中心咬合位における早期接触及び側方運動時の機能的動揺を認め,同部に強い垂直性骨欠損を認めた。
【治療方針】歯周基本治療を行い,咬合性外傷部位に関しては咬合調整を行う。再評価後の深い歯周ポケットの残存に対して歯周組織再生療法を含めた歯周外科を行い,再評価後にSPTへ移行する。
【治療経過・治療成績】プラークコントロール確立後にSRPを行い,23, 33の咬合調整を行った。再評価の結果,23, 33, 37に垂直性骨欠損を伴う深い歯周ポケットの残存を認めたため,エナメルマトリックスタンパク質を応用した歯周組織再生療法を行った。16, 17に関してはフラップ手術と骨整形にて対応した。再評価の結果,歯周組織の状態が安定していたためSPTへ移行した。現在歯周外科処置後約1年で,23, 33, 37には歯槽骨の再生が認められ,歯肉の退縮は認められるが,安定した状態でSPTを行っている。
【考察】33はX線にて根尖に及ぶ骨吸収が認められたが,歯髄電気診にて陽性反応を示したため,咬合性外傷と歯周炎による歯周組織の破壊と診断した。そのため根管治療は行わず,徹底したプラークコントロールと咬合調整,歯周組織再生療法を行い,アタッチメントゲインおよび歯槽骨の再生が誘導できた。
【結論】X線における根尖に及ぶ垂直性骨欠損に対しても,しっかりと原因を診断し,原因に対して適切な治療を行うことにより,良好な治癒が得られた。