60th Annual Meeting in Autumn

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臨床(認定医・専門医)ポスター

歯の移植と再植

臨床(認定医・専門医)ポスター
歯の移植と再植

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

DP-52~DP-53
(ポスター討論:12:00~12:50)

[DP-53] 2本の移植歯応用で咬合を確立した症例

A case made transplantation with Two wisdom teeth

塩路 昌吾/Shogo Shioji (ユニオン歯科医院/Union Dental Clinic)

研修コード:2699

【症例の概要】歯の欠損の修復にはインプラントが広く普及している。しかし古くより歯牙移植も臨床応用されており,インプラントにはない骨伝導能をもつ歯根膜の存在もあり,有効に機能・審美に活用されてきた。今回,臼歯部下顎に智歯を利用して歯牙移植により咬合を回復した症例について報告する。
【治療方針】患者は38歳の男性歯周病の治療とインプラントによる機能回復の為に2009年5月に来院した。全身疾患はなく,口腔清掃は不良であった。初期治療終了後に36・37欠損に38と48の智歯を移植,46欠損にはインプラント治療を企画した。
【治療経過】初めに38・48を抜歯,ドナー歯の有効性の確認後36・37を抜歯しレスピアントサイトを窩洞形成して移植した。固定の為,縫合した。約1ヶ月後根治・根充を行ったが,36は頬側骨が消失しており,根充までに約1年以上待つこととなった。その後も頬側の再生の為に再生療法のエムドゲインを二回実施した。46欠損にはワンピースインプラントを植立した。骨結合の後47のアップライトのアンカーとした。上顎の歯列は狭窄され舌房も狭くなっていたが,歯列拡大を行うことにより上下咬合を安定させた。
【考察】術前はスピーの湾曲が強く治療後の咬合安定に不安を感じていた。移植歯による咬合回復・歯の移動による矯正力・咬合調整の総合力により,スピーの湾曲は殆どなくなり咬合安定に寄与した。術後8年経過してもなお良好に維持している。
歯牙移植は咬合の確立に貢献した。今後も患者のモチベーションを高め,後悔のない人生となるよう,頑張ってもらっている。