[DP-54] 歯列不正を伴う重度広汎型侵襲性歯周炎患者治療後25年経過症例
A case report of severe generalized aggressive periodontitis with dentition injustice:25years Follow up
研修コード:2504
Keywords:広汎型侵襲性歯周炎、歯列不正、メインテナンス、根分岐部病変
【はじめに】重度の広汎型侵襲性歯周炎と思われる患者への治療終了後,25年を経過した症例を報告する。
【症例】患者:29歳女性。初診1988年10月 主訴:左上2番の冷温水痛 家族歴および既往歴:家族にカリエスや欠損補綴が多い。歯周病急性期の既往は少ない 所見:上下歯列不正と,口唇閉鎖不全を認めた。全歯に深いポケットがあり,排膿を認めた。歯肉は浮腫性で,強い炎症は見られなかった。プラークは少なく,歯石は歯肉縁上および歯肉縁下とも少なかった。上下顎ともに左右5番より前方の歯に著しい動揺が認められた。根分岐部病変は軽度で,咬耗はほとんど認めなかった。
【診断】重度広汎型侵襲性歯周炎
【治療計画】1 基本治療と再評価 2 歯周外科-抗生剤の併用 3 再評価 4 MTMおよび 修正治療 5 再評価 6 補綴 7 メインテナンス
【治療経過】入念な清掃指導を含む基本治療ののち全歯牙に歯周外科を行い,メインテナンスへと移行した。現在,歯周組織は安定しているが,患者の事情からメインテナンスのための定期的来院が難しくなっており,歯周病の進行が懸念されてきたため,モチベーションの強化などの患者教育が必要となってきた。
【考察およびまとめ】このタイプの歯周病は,1988年当時早期の外科処置と抗生剤併用が良い結果を生むといわれていた。本症例でも,基本治療後,抗生剤を併用した全顎的な歯周外科を行った。メインテナンス移行後は,歯周病の急性化はほとんど認められず,歯周ポケットも安定しており,25年で一本の歯も失わなかった。ハイジーンの維持の他,咬合性外傷の影響の少なさと分岐部病変が軽度であることが,治療後の長期的安定に寄与していると考えられる。
【症例】患者:29歳女性。初診1988年10月 主訴:左上2番の冷温水痛 家族歴および既往歴:家族にカリエスや欠損補綴が多い。歯周病急性期の既往は少ない 所見:上下歯列不正と,口唇閉鎖不全を認めた。全歯に深いポケットがあり,排膿を認めた。歯肉は浮腫性で,強い炎症は見られなかった。プラークは少なく,歯石は歯肉縁上および歯肉縁下とも少なかった。上下顎ともに左右5番より前方の歯に著しい動揺が認められた。根分岐部病変は軽度で,咬耗はほとんど認めなかった。
【診断】重度広汎型侵襲性歯周炎
【治療計画】1 基本治療と再評価 2 歯周外科-抗生剤の併用 3 再評価 4 MTMおよび 修正治療 5 再評価 6 補綴 7 メインテナンス
【治療経過】入念な清掃指導を含む基本治療ののち全歯牙に歯周外科を行い,メインテナンスへと移行した。現在,歯周組織は安定しているが,患者の事情からメインテナンスのための定期的来院が難しくなっており,歯周病の進行が懸念されてきたため,モチベーションの強化などの患者教育が必要となってきた。
【考察およびまとめ】このタイプの歯周病は,1988年当時早期の外科処置と抗生剤併用が良い結果を生むといわれていた。本症例でも,基本治療後,抗生剤を併用した全顎的な歯周外科を行った。メインテナンス移行後は,歯周病の急性化はほとんど認められず,歯周ポケットも安定しており,25年で一本の歯も失わなかった。ハイジーンの維持の他,咬合性外傷の影響の少なさと分岐部病変が軽度であることが,治療後の長期的安定に寄与していると考えられる。