[DP-55] 血清IgG抗体価検査がスクリーニング,早期診断および管理につながった侵襲性歯周炎患者の22年間経過症例
A 22-year follow up case report of the patient with aggressive periodontitis; Screening, early diagnosis, and monitoring using serum IgG antibody titer test
研修コード:2504
Keywords:血清IgG抗体価、早期診断、侵襲性歯周炎
【緒言】血清IgG抗体価検査によって自覚症状のない若年の侵襲性歯周炎患者を早期に診断し,細菌感染度を抗体価で継続的にモニターすることによって良好な経過を維持している症例を報告する。
【概要】18歳,男性,歯学部学生。初診:1995年5月。主訴:歯周病の精査希望。
現病歴:1995年4月,早期見学実習時に血清IgG抗体価検査を受け,Pg FDC381に対する抗体価の上昇を指摘された。そのため精査を希望し,当院を受診した。
既往歴・家族歴:特記事項なし。
【検査所見】全顎的に辺縁歯肉が発赤し,上顎中切歯は病的移動して歯間が離開していた。PCR:45%,4mm以上のPPD率:28%,BOP率:42%。16近心にⅠ度の根分岐部病変が存在した。X線検査では,前歯と大臼歯部に垂直性骨吸収像が存在した。細菌検査ではPg,Aa,Piの感染があり,宿主因子として好中球の走化能と貪食能が低下していた。
【診断】限局型侵襲性歯周炎
【治療計画】①歯周基本治療(抗菌療法併用),②再評価,③SPT
なお,細菌感染度は抗体価でモニターした。
【治療経過】歯周基本治療に対する反応性は良く,歯槽骨が再生した。1996年5月にはSPTへ移行した。しかし,SPT開始5年目には,37遠心部の歯周炎が再発し,Aaに対する抗体価が上昇した。Distal wedge手術を実施して歯周環境を再構築し,感染を防止した。その後の16年間は,抗体価の上昇は無く,臨床的にも良好に経過している。
【考察】自覚症状を有さない若年の侵襲性歯周炎患者を早期診断し,治療・管理の感染度をモニターして良好な長期経過を維持するために,血清IgG抗体価検査は有効である。
【概要】18歳,男性,歯学部学生。初診:1995年5月。主訴:歯周病の精査希望。
現病歴:1995年4月,早期見学実習時に血清IgG抗体価検査を受け,Pg FDC381に対する抗体価の上昇を指摘された。そのため精査を希望し,当院を受診した。
既往歴・家族歴:特記事項なし。
【検査所見】全顎的に辺縁歯肉が発赤し,上顎中切歯は病的移動して歯間が離開していた。PCR:45%,4mm以上のPPD率:28%,BOP率:42%。16近心にⅠ度の根分岐部病変が存在した。X線検査では,前歯と大臼歯部に垂直性骨吸収像が存在した。細菌検査ではPg,Aa,Piの感染があり,宿主因子として好中球の走化能と貪食能が低下していた。
【診断】限局型侵襲性歯周炎
【治療計画】①歯周基本治療(抗菌療法併用),②再評価,③SPT
なお,細菌感染度は抗体価でモニターした。
【治療経過】歯周基本治療に対する反応性は良く,歯槽骨が再生した。1996年5月にはSPTへ移行した。しかし,SPT開始5年目には,37遠心部の歯周炎が再発し,Aaに対する抗体価が上昇した。Distal wedge手術を実施して歯周環境を再構築し,感染を防止した。その後の16年間は,抗体価の上昇は無く,臨床的にも良好に経過している。
【考察】自覚症状を有さない若年の侵襲性歯周炎患者を早期診断し,治療・管理の感染度をモニターして良好な長期経過を維持するために,血清IgG抗体価検査は有効である。