[DP-56] 広汎型慢性歯周炎患者に対して包括的治療を行った一症例
A case report of Comprehensive treatment for a patient with generalized chronic periodontitis
研修コード：2504
Keywords:広汎型中等度慢性歯周炎、MTM、補綴処置、SPT
【はじめに】不良な補綴物により，前歯部咬合崩壊進行中の広汎型歯周炎患者に対して，MTM（歯牙挺出），歯周外科，固定性補綴等の包括的な治療を行い，咬合機能と審美性の回復が見られた症例を報告する。
【初診】平成10年9月52歳女性。全身的特記事項なし。主訴：固定している歯がぐらつき，歯ぐきが時々腫れることがある。前歯を作り変えてほしい。
【診査・検査所見】既存の補綴物は，形態，適合ともに良好な状態ではなく，清掃性も困難と思われた。また患者の自覚症状はないもののブラキシズムも疑われた。前歯部補綴物は一部脱離し，動揺があり，23は歯肉縁下から骨縁下へ及ぶカリエスを認めた。PDは最大6mmで4mm以上は98部位（71％），局所的に辺縁歯肉の発赤，腫脹，および全顎的に歯槽骨の水平性，垂直性骨吸収を認めた。
【診断】広汎型中等度慢性歯周炎
【治療計画】1．歯周基本治療 2．再評価 3．MTM 4．歯周外科治療 5．口腔機能回復治療 6．再評価 7．SPT
【治療経過】歯周基本治療終了後，再評価を行い，23歯牙挺出動的治療開始，12-17，44-47，34-36，25-27，歯肉剥離掻把術，23はMTM終了後，骨切除，骨整形を含む歯肉剥離掻把術，組織の安定を待ち最終補綴物装着，33-43咬合調整，ナイトガード装着，SPTへ移行した。
【考察・まとめ】固定性補綴物を装着することで，咬合機能の回復，審美性，清掃性が向上。23は歯牙挺出し，歯周外科を行うことで，カリエスの除去，歯槽骨の平坦化ができた。ブリッジの支台歯としての歯冠歯根比や強度等問題は残るもののSPTにより治療後の歯周組織の状態は維持できている。
【初診】平成10年9月52歳女性。全身的特記事項なし。主訴：固定している歯がぐらつき，歯ぐきが時々腫れることがある。前歯を作り変えてほしい。
【診査・検査所見】既存の補綴物は，形態，適合ともに良好な状態ではなく，清掃性も困難と思われた。また患者の自覚症状はないもののブラキシズムも疑われた。前歯部補綴物は一部脱離し，動揺があり，23は歯肉縁下から骨縁下へ及ぶカリエスを認めた。PDは最大6mmで4mm以上は98部位（71％），局所的に辺縁歯肉の発赤，腫脹，および全顎的に歯槽骨の水平性，垂直性骨吸収を認めた。
【診断】広汎型中等度慢性歯周炎
【治療計画】1．歯周基本治療 2．再評価 3．MTM 4．歯周外科治療 5．口腔機能回復治療 6．再評価 7．SPT
【治療経過】歯周基本治療終了後，再評価を行い，23歯牙挺出動的治療開始，12-17，44-47，34-36，25-27，歯肉剥離掻把術，23はMTM終了後，骨切除，骨整形を含む歯肉剥離掻把術，組織の安定を待ち最終補綴物装着，33-43咬合調整，ナイトガード装着，SPTへ移行した。
【考察・まとめ】固定性補綴物を装着することで，咬合機能の回復，審美性，清掃性が向上。23は歯牙挺出し，歯周外科を行うことで，カリエスの除去，歯槽骨の平坦化ができた。ブリッジの支台歯としての歯冠歯根比や強度等問題は残るもののSPTにより治療後の歯周組織の状態は維持できている。