60th Annual Meeting in Autumn

Presentation information

歯科衛生士症例ポスター

メインテナンス・SPT

歯科衛生士症例ポスター
メインテナンス・SPT

Sun. Dec 17, 2017 9:00 AM - 4:50 PM ポスター会場 (さくら)

HP-28~HP-30
(ポスター討論:12:00~12:50)

[HP-28] 受動免疫療法の併用で改善が見られたメインテナンスの1症例

A case of periodontal maintenance in conjunction with passive immunization therapy against pathogenic factor

川本 亜紀1,坂井 雅子1,本橋 碧1,清水 千津子1,菅野 直之2,3,佐藤 秀一2,3/Aki Kawamoto1,Masako Sakai1,Midori Motohashi1,Chizuko Shimizu1,Naoyuki Sugano2,3,Shuichi Sato2,3 (日本大学歯学部付属歯科病院歯科衛生室1,日本大学歯学部保存学教室歯周病学講座2,日本大学歯学部総合歯学研究所高度先端医療研究部門3/Dental Hygienist Section, Nihon University School of Dentistry Dental Hospital, Nihon University School of Dentistry1,Department of Periodontology, Nihon University School of Dentistry2,Division of Advanced Dental Treatment, Dental Research Center, Nihon University School of Dentistry3)

研修コード:2305

Keywords:メインテナンス、受動免疫療法、抗ジンジパイン抗体

【症例の概要】ジンジパインおよびプラーク形成に関与するグルコシルトランスフェラーゼに対する鶏卵抗体含有タブレットをメインテナンス時のセルフケアに併用し,歯周組織が改善された症例を報告する。30歳代後半女性。現病歴:約12年前から4ヵ月毎にメインテナンスで来院していたが,歯周ポケット深さ(PPD),プロービング時の出血(BOP)の割合が増加傾向にあった。タブレット摂取前では,O’Learyらのプラークコントロールレコード(PCR):42.7%,BOP:21.5%,平均PPD:2.3mm,4mm以上のPPDの割合:3.5%であった。
【治療方針・治療経過】通常のメインテナンスに追加して,1日3回のブラッシング後に抗体含有タブレットを1回1個ずつ摂取してもらった。摂取後1年6ヵ月では,PCR:27.1%,BOP:2.1%,平均PPD:2.1mm,4mm以上のPPDの割合:0.7%に改善された。43の歯周ポケット中のP. gingivalisの割合は摂取前では0.53%であったが,摂取後1年6ヵ月では0.0017%に減少し,4年9ヵ月では検出限界値(0.00001%)以下であった。
【考察・まとめ】従来の機械的プラークコントロールに加え,タブレット中の抗体によるプラーク形成抑制およびジンジパイン活性抑制効果により,PCR,唾液および歯周ポケット中のP. gingivalisの割合の減少および臨床症状の改善が認められたと推測される。本症例より,メインテナンス時の病原因子に対する受動免疫療法併用の有効性が示唆された。