[P-027] Flt3 ligand発現DNAプラスミドとCpGオリゴヌクレオチドの経鼻同時投与による歯周病原細菌由来抗原に対する免疫応答
Nasal double DNA adjuvants for elderly induce systemic and mucosal immune responses to P. gingivalis rFimA anitgen
研修コード:2299
Keywords:Porphyromonas gingivalis線毛タンパク、経鼻投与、粘膜アジュバント、IgA抗体
【目的】我々はこれまで,免疫応答が減弱した高齢者にも有効な経鼻アジュバントの検討を行ってきた。本研究では歯周病原細菌Porphyromonas gingivalis線毛タンパクのリコンビナントタンパク(rFimA)を抗原として用い,CpG ODNとFlt3 ligand(FL)発現DNAプラスミド(pFL)からなる経鼻アジュバントをマウスに同時投与,粘膜部及び全身系の抗原特異的免疫応答の検討を行った。
【方法】6−8週齢BALB/cマウス(♀)を用い,実験群は抗原100μgとpFL50μg,CpG ODN10μgを,対照群は抗原100μgのみを毎週1回計3回経鼻投与した。初回投与から21日目の唾液と血漿,鼻腔洗浄液,肺洗浄液を採取し,抗原特異的IgA,IgG抗体価をELISA法で測定した。さらに21日目の脾臓,頸部リンパ節及び顎下唾液腺,鼻腔粘膜固有層,肺縦隔リンパ節での抗原特異的抗体産生細胞数をELISPOT法で測定した。
【結果】実験群の唾液,鼻腔洗浄液,肺洗浄液,血漿中の抗原特異的IgA抗体価は,21日目で対照群と比較し有意な差を認めた。さらに21日目における顎下唾液腺,鼻粘膜固有層,肺縦隔リンパ節,脾臓,頸部リンパ節の抗原特異的IgA抗体産生細胞数も有意な増加を認めた。また血漿中の抗原特異的IgG抗体価,脾臓と頸部リンパ節の抗原特異的IgG抗体産生細胞数も対照群と比較して有意な増加を認めた。
【結論と考察】CpG ODNとpFLからなるダブルアジュバントが,若齢マウスの粘膜部と全身系においてrFimAに対する免疫応答を誘導することが明らかとなり,老齢マウスへの応用の可能性が示唆された。
【方法】6−8週齢BALB/cマウス(♀)を用い,実験群は抗原100μgとpFL50μg,CpG ODN10μgを,対照群は抗原100μgのみを毎週1回計3回経鼻投与した。初回投与から21日目の唾液と血漿,鼻腔洗浄液,肺洗浄液を採取し,抗原特異的IgA,IgG抗体価をELISA法で測定した。さらに21日目の脾臓,頸部リンパ節及び顎下唾液腺,鼻腔粘膜固有層,肺縦隔リンパ節での抗原特異的抗体産生細胞数をELISPOT法で測定した。
【結果】実験群の唾液,鼻腔洗浄液,肺洗浄液,血漿中の抗原特異的IgA抗体価は,21日目で対照群と比較し有意な差を認めた。さらに21日目における顎下唾液腺,鼻粘膜固有層,肺縦隔リンパ節,脾臓,頸部リンパ節の抗原特異的IgA抗体産生細胞数も有意な増加を認めた。また血漿中の抗原特異的IgG抗体価,脾臓と頸部リンパ節の抗原特異的IgG抗体産生細胞数も対照群と比較して有意な増加を認めた。
【結論と考察】CpG ODNとpFLからなるダブルアジュバントが,若齢マウスの粘膜部と全身系においてrFimAに対する免疫応答を誘導することが明らかとなり,老齢マウスへの応用の可能性が示唆された。