[P-028] Porphyromonas salivosa ATCC 49407株線毛の精製と生物活性の検討
Purification and biological activity of Porphyromonas salivosa ATCC 49407 Fimbriae
研修コード:2203
Keywords:歯周病、Porphyromonas salivosa、線毛
【目的】Porphyromonas salivosa(P. salivosa)は,ヒト歯周病原細菌P. gingivalisと同属の黒色色素産生グラム陰性嫌気性桿菌であり,イヌやネコを含む様々な動物の歯肉溝から分離される。近年,コンパニオンアニマルとの接触機会が増加していることから,口腔内伝播の可能性を考慮し,P. salivosa線毛の歯周組織破壊への関わりについて検討した。
【方法】P. salivosa ATCC 49407株の繊毛の存在と線毛タンパク質の精製は,DEAE sepharose CL-6B陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製し,Western blot法と電子顕微鏡観察で確認した。破骨細胞分化誘導能は,マウス骨髄細胞とMC3T3-G2/PA6の共培養系を用いて行った。サイトカイン産生誘導能は,マウス腹腔マクロファージを用いてELISA法にて検討した。歯槽骨吸収量は,ラット口腔へP. salivosa生菌を直接接種する実験的歯周炎により評価した。
【結果と考察】P. salivosa ATCC49407株の菌体表層に線毛構造物が存在し,線毛タンパク質は分子量60-kDaであることが確認された。60-kDa線毛タンパク質は,破骨細胞分化誘導能と炎症性サイトカインであるIL-1βとTNF-αを濃度依存的に増加することが確認された。また,P. salivosaに感染させたラット実験的歯周炎モデルにおいて,P. gingivalisと同様に顕著な歯槽骨吸収が認められた。以上の結果からP. salivosaは60-kDa線毛が菌体周囲に存在し,歯周組織破壊に関わる重要な病原因子であることが示唆された。
【方法】P. salivosa ATCC 49407株の繊毛の存在と線毛タンパク質の精製は,DEAE sepharose CL-6B陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製し,Western blot法と電子顕微鏡観察で確認した。破骨細胞分化誘導能は,マウス骨髄細胞とMC3T3-G2/PA6の共培養系を用いて行った。サイトカイン産生誘導能は,マウス腹腔マクロファージを用いてELISA法にて検討した。歯槽骨吸収量は,ラット口腔へP. salivosa生菌を直接接種する実験的歯周炎により評価した。
【結果と考察】P. salivosa ATCC49407株の菌体表層に線毛構造物が存在し,線毛タンパク質は分子量60-kDaであることが確認された。60-kDa線毛タンパク質は,破骨細胞分化誘導能と炎症性サイトカインであるIL-1βとTNF-αを濃度依存的に増加することが確認された。また,P. salivosaに感染させたラット実験的歯周炎モデルにおいて,P. gingivalisと同様に顕著な歯槽骨吸収が認められた。以上の結果からP. salivosaは60-kDa線毛が菌体周囲に存在し,歯周組織破壊に関わる重要な病原因子であることが示唆された。