[P-029] コウボクはPorphyromonas gingivalis mglを介したメチルメルカプタン産生を抑制する
The oriental medicine, magnoliaceae, inhibits the production of methyl mercaptan via mgl mRNA.
研修コード:2807
Keywords:口臭、メチルメルカプタン、Porphyromonas gingivalis
【目的】P. gingivalis(Pg)は揮発性硫黄化合物(VSC)を産生し,VSCは口臭の原因になる。METaseはPgが保有するアミノ酸分解酵素であり,VSCであるメチルメルカプタン(MM)を合成する。生薬であるコウボクがMetaseをコードするmgl遺伝子を制御して,MM産生を抑制する。本研究ではコウボクによるPgメチルメルカプタン産生制御のメカニズムの解明を目的に複数のPg菌株を用いて検討した。
【材料および方法】Pgの分離:広島大学病院口臭外来受診患者の唾液を,血液寒天培地に播種後,生育した黒色コロニーから16s rRNAをPCR法で同定した。
MM産生量の測定:試験管内に,PBS1ml中にPg 108CFUになるよう調整し,L-メチオニン,コウボクを添加し,60分培養した。MM産生量はオーラルクロマで測定した。
mgl発現解析:ガス測定と同様にサンプル調整し,totalRNAを精製した。mgl発現はreal-time PCRで評価した。
バイオフィルム形成実験:Pg W83 107CFUと,F. nucleatum ATCC 24597(Fn)106CFUを96wellプレートで共培養し,バイオフィルムをクリスタルバイオレットで染色後,吸光度で評価した。
【結果】Pg標準株,臨床分離株ともに,L-メチオニンの濃度依存的にMM産生が増加した。コウボクはPg MM産生を抑制し,Pgの線毛をコードする遺伝子fim typeで抑制率に違いが認められた。コウボクはバイオフィルム形成を抑制した。
【結論】コウボクがmRNAレベルでPgのMM産生を抑制し,バイオフィルム形成抑制にも関与することが示唆された。
【材料および方法】Pgの分離:広島大学病院口臭外来受診患者の唾液を,血液寒天培地に播種後,生育した黒色コロニーから16s rRNAをPCR法で同定した。
MM産生量の測定:試験管内に,PBS1ml中にPg 108CFUになるよう調整し,L-メチオニン,コウボクを添加し,60分培養した。MM産生量はオーラルクロマで測定した。
mgl発現解析:ガス測定と同様にサンプル調整し,totalRNAを精製した。mgl発現はreal-time PCRで評価した。
バイオフィルム形成実験:Pg W83 107CFUと,F. nucleatum ATCC 24597(Fn)106CFUを96wellプレートで共培養し,バイオフィルムをクリスタルバイオレットで染色後,吸光度で評価した。
【結果】Pg標準株,臨床分離株ともに,L-メチオニンの濃度依存的にMM産生が増加した。コウボクはPg MM産生を抑制し,Pgの線毛をコードする遺伝子fim typeで抑制率に違いが認められた。コウボクはバイオフィルム形成を抑制した。
【結論】コウボクがmRNAレベルでPgのMM産生を抑制し,バイオフィルム形成抑制にも関与することが示唆された。