[P-050] 歯肉上皮細胞におけるヒトFDC-SP遺伝子発現に対するmiR-223の影響
Effects of miR-223 on human FDC-SP gene expression in gingival epithelial cells
研修コード:2504
Keywords:濾胞性樹状細胞分泌タンパク質、マイクロRNA、腫瘍壊死因子
【目的】FDC-SPは濾胞樹状細胞で発現する低分子分泌タンパク質であり,歯根膜および歯肉接合上皮で発現する。マイクロRNA(miRNA)は約22塩基の一本鎖ノンコーディングRNAで,標的mRNAの3’末端非翻訳領域(3’-UTR)に結合し翻訳を抑制する。我々は,炎症歯肉におけるmiR-223の発現増加を以前に報告した。今回は,歯肉上皮細胞でのFDC-SP遺伝子発現に対するmiR-223の影響を解析した。
【材料および方法】ヒト歯肉上皮(Ca9-22)細胞にmiR-223発現プラスミドを導入し,TNF-αで刺激後,miR-223標的因子であるIKKαとFDC-SPの発現量をリアルタイムPCRとウェスタンブロットで解析した。FDC-SP遺伝子プロモーター(-948~+60)を挿入したルシフェラーゼ(LUC)プラスミドのLUC遺伝子下流にFDC-SP3’-UTR 1~984配列を挿入したコンストラクト(FDC-SP 3’LUC)を作成し,miR-223過剰発現時のLUC活性を解析した。
【結果】TNF-α刺激はIKKαとFDC-SPのmRNAおよびタンパク質量を増加させ,miR-223過剰発現はそれぞれを部分的に抑制した。FDC-SP 3’LUCをCa9-22細胞に導入し,TNF-α刺激するとLUC活性は増加し,miR-223過剰発現でLUC活性は部分的に抑制された。ヒト歯肉上皮細胞においてFDC-SP 遺伝子発現はTNF-α刺激で増加したが,miR-223はTNF-αシグナル伝達経路のIKKαを抑制し,FDC-SP遺伝子発現を直接および間接的に調節すると考えられた。
【材料および方法】ヒト歯肉上皮(Ca9-22)細胞にmiR-223発現プラスミドを導入し,TNF-αで刺激後,miR-223標的因子であるIKKαとFDC-SPの発現量をリアルタイムPCRとウェスタンブロットで解析した。FDC-SP遺伝子プロモーター(-948~+60)を挿入したルシフェラーゼ(LUC)プラスミドのLUC遺伝子下流にFDC-SP3’-UTR 1~984配列を挿入したコンストラクト(FDC-SP 3’LUC)を作成し,miR-223過剰発現時のLUC活性を解析した。
【結果】TNF-α刺激はIKKαとFDC-SPのmRNAおよびタンパク質量を増加させ,miR-223過剰発現はそれぞれを部分的に抑制した。FDC-SP 3’LUCをCa9-22細胞に導入し,TNF-α刺激するとLUC活性は増加し,miR-223過剰発現でLUC活性は部分的に抑制された。ヒト歯肉上皮細胞においてFDC-SP 遺伝子発現はTNF-α刺激で増加したが,miR-223はTNF-αシグナル伝達経路のIKKαを抑制し,FDC-SP遺伝子発現を直接および間接的に調節すると考えられた。