60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

炎症

一般演題ポスター
炎症

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-046~P-060
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-053] 口腔粘膜での抗ウイルス自然免疫応答におけるinterleukin(IL)-29の役割

Potential role of interleukin(IL)-29 in oral mucosal defense against viruses

四釜 洋介,松下 健二/Yosuke Shikama,Kenji Matsushita (国立長寿医療研究センター/National Center for Geriatrics and Gerontology)

研修コード:2205

Keywords:自然免疫、インターフェロン、口腔粘膜

【目的】IL-29はIII型interferon(IFN)の一つであり,抗ウイルス活性を有し,I型IFNとは異なりその受容体は上皮細胞や肝細胞などに限局している。また,歯周病患者の歯肉溝浸出液中IL-29値が高値を示す事も報告されている。一方,口腔粘膜におけるIL-29受容体発現およびIL-29による影響は不明である。本研究では,口腔由来細胞におけるIL-29受容体発現を解析し,口腔粘膜におけるIL-29の役割について検討した。
【材料と方法】不死化歯肉上皮細胞(OBA-9),不死化表皮角化細胞(HaCaT),口腔扁平上皮癌細胞(HSC-2),歯肉線維芽細胞(HGF),および不死化肺線維芽細胞(HFL-III)を用い,遺伝子発現を半定量PCRおよびReal-time PCRを用いて,タンパク発現をWestern blot およびELISAを用いて解析した。
【結果と考察】i)HGFおよびHFL-IIIにおいて,IL-29受容体であるIL-28RaのmRNA は検出されなかった。ii)OBA-9におけるIL-28Ra mRNA 発現レベルは HaCaTと比較し,約7倍高い値を示した。iii)IL-28Ra シグナル下流の転写因子であるSTAT1のリン酸化は,OBA-9とHSC-2で比較すると,OBA-9においてIL-29濃度1/10でリン酸化を誘導した。iv)OBA-9において,ウイルス核酸を認識するタンパクであるRIG-I発現がIL-29濃度依存的に上昇したが,炎症性サイトカインの一つであるIL-8産生は誘導されなかった。
【結論】IL-29が口腔粘膜における抗ウイルス活性を有する可能性が示唆された。