60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

炎症

一般演題ポスター
炎症

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-046~P-060
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-055] 歯周病原細菌感染によるNETs産生は血管内皮細胞における炎症反応を増悪させる

Periodontal bacteria-induced NETs production exacerbates inflammation in endothelial cells

多田 浩之1,松下 健二3,丸山 顕太郎2,根本 英二2/Hiroyuki Tada1,Kenji Matsushita3,Kentaro Maruyama2,Eiji Nemoto2 (東北大学大学院歯学研究科口腔生物学講座口腔分子制御学分野1,東北大学大学院歯学研究科口腔生物学講座歯内歯周治療学分野2,国立長寿医療研究センター口腔疾患研究部3/Division of Oral Microbiology, Tohoku University Graduate School of Dentistry1,Division of Periodontology and Endodontology, Tohoku University Graduate School of Dentistry2,Department of Oral Disease Research, National Center for Geriatrics and Gerontology3)

研修コード:2203

Keywords:歯周病原細菌、好中球細胞外トラップ、血管内皮細胞

【目的】細菌感染に際して,好中球はneutrophil extracellular traps(NETs)を産生することで感染防御を担う一方,過剰なNETs産生は慢性炎症を誘導する。これまで我々は,歯周病原細菌Fusobacterium nucleatumの感染により好中球からNETsが産生されることを見出し,NETsにはmacrophage migration factor(MIF)が高発現することを明らかにした。MIFは動脈硬化症や慢性関節リウマチ等の炎症性疾患に高発現し,炎症反応の誘導に関わる。本研究は,F. nucleatum感染で産生されたNETsによる血管内皮細胞における炎症反応の誘導について検討した。
【材料と方法】ヒト前骨髄球細胞株HL-60をレチノイン酸含有RPMI 1640培地で分化誘導した好中球様細胞を供試した。F. nucleatum ATCC 25586株はtryptic soy brothにて嫌気培養した。好中球をF. nucleatumで感染後,DNase Iで処理しNETsを分離した。Transwell filter上に培養したヒト血管内皮細胞(HUVEC)を同NETsで刺激後,transmigration assayを行った。
【結果】HUVECをF. nucleatum感染により好中球から産生されたNETsで刺激すると,HUVECを介する好中球の細胞外遊走が亢進した。同作用は,NETsをMIFアンタゴニストであるISO-1で処理することにより抑制された。
【結論】NETsによる血管内皮細胞の炎症誘導が,歯周病の病態形成を増悪させる可能性が示唆された。