60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

炎症制御

一般演題ポスター
炎症制御

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-061~P-068
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-061] 再生ヒト歯肉上皮モデルを用いた歯周病様炎症応答モデルの構築

Development of periodontal disease-like model by using artificial Human Gingival Epithelium focusing on inflammatory response

清水 健司1,矢作 彰一1,戸田 雅人2,梶田 恵介2,山崎 寛生2,京谷 大毅3/Kenji Shimizu1,Shoichi Yahagi1,Masato Toda2,Keisuke Kajita2,Hiroo Yamasaki2,Daiki Kyoutani3 (ニッコールグループ株式会社コスモステクニカルセンター1,小林製薬株式会社中央研究所2,ニッコールグループ株式会社ニコダームリサーチ3/NIKKOL GROUP COSMOS TECHNICAL CENTER Co.,Ltd1,R&D Healthcare division, Kobayashi Pharmaceutical Co.,Ltd2,NIKKOL GROUP Nikoderm Research Inc.3)

研修コード:2204

Keywords:歯肉上皮モデル、炎症誘導、歯周病様モデル、LPS

【目的】再生ヒト歯肉上皮モデル(Human Gingival Epithelium:HGE)を用いて,歯周病様の炎症特性を示すモデルを構築することを目的とする。本研究に用いるHGEは,正常ヒト歯肉上皮細胞をポリカーボネートフィルター上で気液界面培養することにより構築された三次元組織モデルでありヒト歯肉上皮にきわめて類似した組織学的形態を有している。HGEモデルを使用し,歯周病様の炎症が誘導されたモデルを構築することができれば,これまでの単層培養系での評価が困難であった薬剤や製剤の組織上における動態を含めた様々な評価に応用できると期待される。
【材料と方法】再生ヒト歯肉上皮モデルはSkinEthic TM HGEを使用した。炎症誘導はLPS, from E. coli O111にて行った。馴化したHGEに対しLPSを0~200μg/mL含有する維持培地にて,48~72時間培養した。培地中の炎症性サイトカンの放出量,バリア機能および組織切片像を確認することで炎症誘導モデルの特性評価を行った。
【結果と考察】HGEをLPS含有培地にて刺激誘導することで,炎症性サイトカインTNFαやIL-8が増加した。48時間以上LPS含有培地で培養したHGEは,バリア機能の指標となるイオンインデックスがLPS未含有条件に比較して有意に低下し,細胞接着の脆弱化と考えられる組織切片像を示した。
【結論】HGEをLPS含有培地で培養することにより,炎症が誘導されたことに伴う各種所見を確認することができた。HGE炎症モデルは,抗炎症および抗歯周病作用をターゲットとする様々な薬剤評価や基礎的研究に活用されることが期待される。