60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

炎症制御

一般演題ポスター
炎症制御

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-061~P-068
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-062] 再生ヒト歯肉上皮モデルを用いた甘草由来成分配合歯磨剤の薬剤浸透性及び抗炎症作用の評価

Evaluation of drug permeability and anti-inflammatory effect of dentifrices containing licorice-derived ingredient using reconstructed human gingival epithelium model

戸田 雅人,梶田 恵介,山崎 寛生/Masato Toda,Keisuke Kajita,Hiroo Yamasaki (小林製薬株式会社中央研究所/R&D Healthcare division, Kobayashi Pharmaceutical Co.,Ltd)

研修コード:2204

Keywords:薬剤浸透性、抗炎症作用、歯磨剤、歯肉上皮モデル

【目的】歯周炎予防を目的とした歯磨剤には,甘草由来抗炎症成分であるグリチルリチン酸ジカリウム:GK2やβ-グリチルレチン酸:β-GAが一般的に用いられている。本研究では,GK2又はβ-GAを配合した歯磨剤の薬剤浸透性及び抗炎症作用を再生ヒト歯肉上皮モデルを用いて検討した。
【材料と方法】再生ヒト歯肉上皮モデルはSkinEthic™ HGEを,歯磨剤はGK2配合歯磨剤として生葉b及び生葉c,β-GA配合歯磨剤として生葉ha及び生葉hbを用いた。薬剤浸透性評価では,歯磨剤希釈液300μLをHGE上部より適用し,3時間後及び6時間後にHGE及び培地を回収し,それぞれに含まれるGK2又はβ-GA量を測定した。抗炎症作用評価では,LPSを所定濃度(100,200μg/mL)含有する培地にて48時間培養を行った。培地を回収しLPS未含有培地に交換した後,歯磨剤希釈液150μLをHGE上部より適用してさらに24時間培養した。適用24時間後の培地中の炎症性サイトカン量及びHGEの細胞生存率を測定した。
【結果と考察】薬剤浸透性評価において,抗炎症成分の配合濃度依存的に浸透量の増加が認められた。GK2配合歯磨剤とβ-GA配合歯磨剤では,GK2配合歯磨剤の方が抗炎症成分の浸透量が高い結果となった。一方,抗炎症作用評価では,全ての歯磨剤において無処置と比較して有意に炎症性サイトカイン産生が抑制されており,GK2配合歯磨剤よりもβ-GA配合歯磨剤が有意に炎症性サイトカイン産生を抑制した。
【結論】甘草由来抗炎症成分配合歯磨剤は,抗炎症成分が歯周組織に浸透することで炎症を効果的に抑制することが示唆された。