60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

炎症制御

一般演題ポスター
炎症制御

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-061~P-068
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-063] P. gingivalis LPS刺激THP-1細胞におけるUCP2の炎症制御機能

Uncoupling protein 2 regulates inflammatory responses in THP-1 derived macrophages stimulated with lipopolysaccharide from Porphyromonas gingivalis

杉田 典子1,車 玉蘭1,高橋 直紀2,高見澤 圭1,吉江 弘正1/Noriko Sugita1,Yulan Che1,Naoki Takahasi2,Kei Takamisawa1,Hiromasa Yoshie1 (新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔生命科学専攻摂食環境制御学講座歯周診断・再建学分野1,新潟大学大学院医歯学総合研究科高度口腔機能教育研究センター2/Division of Periodontology, Department of Oral Biological Science, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences1,Research Center for Advanced Oral Science, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences2)

研修コード:2202

Keywords:UCP2、THP-1、P. gingivalis、炎症性サイトカイン、活性酸素、LPS

【目的】脱共役タンパク質(Uncoupling protein; UCP)はミトコンドリア内膜に存在し,エネルギーを熱として消費させる機能を有する。哺乳類では5種類のサブタイプが同定されており,UCP2は白血球に多く分布し活性酸素産生を抑制することが知られているが,炎症性疾患におけるUCP2の役割は未だ明らかになっていない。我々は以前ケース・コントロール研究の成果としてUCP2遺伝子多型と重度歯周炎の関連性を報告した。本研究ではUCP2の歯周炎における機能を解明する目的で,THP-1由来マクロファージ様細胞を用いたin vitroにおける解析を行った。
【材料と方法】THP-1由来マクロファージ様細胞をPorphyromonas gingivalisP. gingivalis)由来LPSを用いて刺激するとともに,特異的siRNAによるUCP2のノックダウンを行い,細胞内の活性酸素(ROS)産生および炎症性サイトカインmRNA発現レベルに及ぼす影響を解析した。
【結果と考察】P. gingivalis LPS刺激はTHP-1由来マクロファージ様細胞においてROS産生とIL-1b,IL-8およびMCP-1のmRNA発現を促進した。UCP2ノックダウンはP. gingivalis LPS刺激時のROS産生を亢進させ,IL-8 mRNA発現を有意に増加させた。IL-1bおよびMCP-1のmRNAについては有意な増減が認められなかった。
【結論】UCP2は歯周炎において活性酸素産生および炎症性サイトカイン発現を抑制することにより炎症制御に寄与する可能性が示唆された。