60th Annual Meeting in Autumn

Presentation information

一般演題ポスター

炎症制御

一般演題ポスター
炎症制御

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-061~P-068
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-064] エピカテキンは歯肉線維芽細胞─マクロファージ相互作用による過剰な炎症反応を抑制する

Epicatechin suppresses excessive inflammatory response caused by gingival fibroblast-macrophage interaction

眞田 大樹1,松永 紘明1,佐野 朋美1,竹村 翼2,藤田 剛2,栗原 英見2,西村 英紀1/Taiki Sanada1,Hiroaki Matsunaga1,Tomomi Sano1,Tsubasa Takemura2,Tsuyoshi Fuzita2,Hidemi Kurihara2,Fusanori Nishimura1 (九州大学大学院 歯学研究院 口腔機能修復学講座 歯周病学分野1,広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 応用生命科学部門 歯周病態学研究室2/Department of Periodontology, Division of Oral Rehabilitation, Faculty of Dental Science, Kyushu University1,Department of Periodontal Medicine, Division of Applied Life Sciences, Institute of Biomedical & Health Sciences, Hiroshima University2)

研修コード:2499

Keywords:歯周炎モデルマウス、エピカテキン、マクロファージ

【目的】我々はこれまでに,脂肪細胞・マクロファージ相互作用に伴う過剰な炎症反応をココアフラボノールの主成分であるエピカテキン(EC)が抑制し,結果としてインスリン抵抗性を改善することを報告したが,本研究ではECが歯周組織における炎症も抑制するとの仮説を設け検討を行った。
【材料と方法】ECを作用させた歯肉線維芽細胞とマクロファージ様細胞の共培養系にLPSを添加した際の歯肉線維芽細胞からの炎症関連遺伝子発現をリアルタイムPCR法にて定量,培養上清からのTNF-αタンパク発現をELISA法にて測定した。さらに,マウスにECを配合した高脂肪食(HFD/EC)を摂取させ,歯周組織炎症について通常食(ND)摂取群および高脂肪食(HFD)摂取群と比較した。
【結果と考察】LPS刺激下で共培養した歯肉線維芽細胞とマクロファージをEC処理すると,歯肉線維芽細胞からのIL-1β,IL-6遺伝子発現およびTNF-αタンパク発現が有意に抑制された。また,HFDを摂取したマウスの歯肉組織においてND摂取群と比較し,CCL19,TNF-α遺伝子発現が有意に上昇したのに対し,HFD/ECを摂取したマウスの歯肉組織ではこれらの遺伝子発現が有意に抑制された。
【結論】ECを作用させることで,歯周組織炎症が抑制されることが示された。また,ECが歯周組織の炎症にCCL19の発現抑制を介して効果を示す可能性が示唆された。