60th Annual Meeting in Autumn

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一般演題ポスター

炎症制御

一般演題ポスター
炎症制御

Sat. Dec 16, 2017 9:00 AM - 5:00 PM ポスター会場 (さくら)

P-061~P-068
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-068] 新しい歯周炎予防・治療法としての310nmUVB-LEDの可能性-特に口腔細菌に対する殺菌作用の検討-

Possibility of 310 nm ultraviolet light-emitting diode as new periodontitis treatment and prevention -Especially study for bactericidal effect on oral bacteria-

髙田 鮎子1,2,松下 健二2,堀岡 悟3,古市 保志1,角 保徳4/Ayuko Takada1,2,Kenji Matsushita2,Satoru Horioka3,Yasushi Furuichi1,Yasunori Sumi4 (北海道医療大学口腔機能修復・再建系歯周歯内治療学分野1,国立長寿医療研究センター 口腔疾患研究部2,日機装技研株式会社3,国立長寿医療研究センター歯科口腔先進医療開発センター4/Division of Periodontology and Endodontology Department of Oral Rehabilitation School of Dentistry Health University of Hokkaido1,National Center for Geriatrics and Gerontology Department of Oral Disease Research2,NIKKISO.CO.,LTD3,National Center for Geriatrics and Gerontology Center for Development of Advanced Medicine for Dental Diseases4)

研修コード:3101

Keywords:310nm UVB、殺菌作用、細胞間接着因子

【目的】試作310nm UVB-LED装置を用いて,口腔内細菌に対する310nm UVBの殺菌効果と口腔上皮細胞に対する細胞間接着因子の発現誘導能を評価し,同紫外線が歯周炎治療へ応用可能か否かを検討する。
【材料と方法】1)殺菌作用:口腔内細菌(Streptococuus mutans, Streptococcus sauguinis, Porphylomonas gingivalis, Fsobacterium nucleatum)への310nm UVB-LEDの殺菌作用を浮遊細菌培養系とバイオフィルム形成系でそれぞれ検討した。
2)細菌のDNA損傷の誘導:310nm UVB-LED照射によるシクロブタンピリミジンダイマー(CPD)の生成量をELISAで測定した。
3)細胞間接着因子の発現誘導:不死化口腔上皮由来細胞株(OBA-9)におけるClaudin-1のタンパク発現をウエスタンブロット法で検討した。
【結果と考察】UVB-LEDの60秒間(1050mJ/㎠)照射により,遊細菌培養系およびバイオフィルム形成系のすべての供試菌に殺菌効果が認められた。特に,P. gingivalisは他の菌より強く殺菌され,多くのCPDが生成された。また,6秒間(10.5mJ/㎠)照射でOBA-9におけるClaudin-1の発現が誘導された。以上のことから,UVBは歯周病原菌のバイオフィルムに有効であることや口腔上皮バリアの増強も期待できることが判明した。
【結論】310nm UVB-LEDは口腔バイオフィルムに対する殺菌作用と口腔上皮バリアの増強作用を有することから,歯周炎の治療や予防への応用が期待された。