[P-079] 自己組織化ペプチドハイドロゲル応用における歯周組織治癒メカニズムの解明
Elucidating the mechanisms on the periodontal healing following the application of a self-assembling peptide nanofiber hydrogel
研修コード:2504
Keywords:自己組織化ペプチドハイドロゲル、足場、PCRアレイ
【目的】自己組織化ペプチドハイドロゲル(RADA16)は,生体の細胞外マトリックスに類似のナノ構造を有する三次元的足場材料として注目されている。我々はRADA16がラット歯周組織欠損モデルの治癒に及ぼす影響を検討し,歯周組織治癒を促進することを明らかにした(Takeuchi T et al. 2016)。しかし詳細な治癒メカニズムは不明である。本研究の目的は,RADA16による歯周組織治癒のメカニズムの一端を解明することである。
【材料と方法】6週齢雄性 Wistarラットの上顎第一臼歯を抜去し4週経過後,第二臼歯近心に歯周組織欠損を作成した。2.5% RADA16を応用した実験群,コントロールゲル(Matrigel)を応用した群,Unfilled群を設定した。術後2週にて欠損部の新生歯周組織を採取し,PCRアレイにて骨形成関連84遺伝子の発現プロファイルを解析した。RADA16へのラット歯根膜由来細胞の遊走状態の評価は,共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)を用いた。
【結果と考察】骨関連遺伝子の発現解析において,Unfilled群と比較してRADA16応用群ではTnfsf11,Itgam,Mmp2,Vegfαなどの骨形成や細胞接着,血管新生に関与する9遺伝子の発現上昇(> 3.5 fold)を認めた。RADA16上に播種後5時間のラット歯根膜由来細胞は細胞突起が伸展し,ゲルを用いず培養した対照群との細胞形態の相違を認めた。
【結論】RADA16による歯周組織治癒には宿主細胞との良好な親和性や網目状構造への早期の細胞接着,血管新生,その後の骨リモデリングの促進が関与していることが示唆された。
【材料と方法】6週齢雄性 Wistarラットの上顎第一臼歯を抜去し4週経過後,第二臼歯近心に歯周組織欠損を作成した。2.5% RADA16を応用した実験群,コントロールゲル(Matrigel)を応用した群,Unfilled群を設定した。術後2週にて欠損部の新生歯周組織を採取し,PCRアレイにて骨形成関連84遺伝子の発現プロファイルを解析した。RADA16へのラット歯根膜由来細胞の遊走状態の評価は,共焦点レーザー顕微鏡(CLSM)を用いた。
【結果と考察】骨関連遺伝子の発現解析において,Unfilled群と比較してRADA16応用群ではTnfsf11,Itgam,Mmp2,Vegfαなどの骨形成や細胞接着,血管新生に関与する9遺伝子の発現上昇(> 3.5 fold)を認めた。RADA16上に播種後5時間のラット歯根膜由来細胞は細胞突起が伸展し,ゲルを用いず培養した対照群との細胞形態の相違を認めた。
【結論】RADA16による歯周組織治癒には宿主細胞との良好な親和性や網目状構造への早期の細胞接着,血管新生,その後の骨リモデリングの促進が関与していることが示唆された。