日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

一般演題ポスター

組織再生

一般演題ポスター
組織再生

2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-079~P-086
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-083] 炭酸アパタイト製人工骨の骨置換性の評価

Evaluation of bone replacement using synthetic carbonate apatite bone graft substitute.

山中 克之,重光 勇介,山本 克史,石原 容子,増田 聖,熊谷 知弘/Katsuyuki Yamanaka,Yusuke Shigemitsu,Katsushi Yamamoto,Yoko Ishihara,Hijiri Masuda,Tomohiro Kumagai (株式会社ジーシー/GC Corporation)

研修コード:3103

キーワード:骨補填材、炭酸アパタイト、インプラント、骨置換、骨

【目的】我々は,生体骨の無機成分である炭酸アパタイトと類似した組成の顆粒状炭酸アパタイト(GCAP-01)の開発に成功しており,歯周,インプラント周囲での適応の取得を目指している。本発表では,ハイドロキシアパタイト(HAp)を比較対照とし,GCAP-01の骨置換性についてin vitro及びin vivoで評価した結果について報告する。
【方法】被験物質はGCAP-01,対照物質は製品A(ウシ骨由来HAp),製品B(合成HAp)とした。in vitro評価は溶解性試験(JIS T 0330-3)を実施した。in vivo評価は,12ヵ月齢以上のビーグル犬2頭の左右下顎前臼歯を抜歯,治癒させた部位にインプラント体(φ3.8×8mm)を埋入し,その辺縁に5×5×4mmの頬側裂開型骨欠損を作製し,各種材料を埋植し,BIC(Bone-Implant Contact)及び新生骨面積率(%)を評価した。
【結果と考察】in vitro評価では,pH 5.50においてGCAP-01と製品Aは溶解性が高く,製品Bは有意に低い値を示した。in vivo評価では,GCAP-01は製品Aと同等もしくはそれ以上のBICおよび新生骨面積率を示した。一方で製品Bは明らかに低い結果となった。製品Aでは骨形成箇所が欠損低部にとどまったのに対し,GCAP-01は欠損部内に均一に骨が形成されていた。
【結論】イヌを用いたインプラント周囲骨欠損モデルにおいてGCAP-01を埋植した部位で良好な骨形成が認められ,破骨細胞が産生するpHで溶解性が示されたことから,GCAP-01は顎骨内で骨置換する人工骨であることが示唆された。