日本歯周病学会60周年記念京都大会

講演情報

一般演題ポスター

インプラント

一般演題ポスター
インプラント(臨床)

2017年12月16日(土) 09:00 〜 17:00 ポスター会場 (さくら)

P-091~P-093
(ポスター討論:11:40~12:30)

[P-093] 歯周病患者の口腔インプラント治療予後に関する後ろ向き研究

Outcome of dental implant treatment for patients with periodontal disease: a retrospective study

鈴木 幹子,北林 治彦,山﨑 厚作,齋藤 弘毅,川西 章,羽鳥 智也,高橋 慶壮/Mikiko Suzuki,Haruhiko Kitabayashi,Kosaku Yamazaki,Koki Saito,Akira Kawanishi,Tomoya Hatori,Keiso Takahashi (奥羽大学歯学部歯科保存学講座歯周病学分野/Division of Periodontics, Department of Conservative Dentistry, Ohu University School of Dentistry)

研修コード:2609

キーワード:口腔インプラント治療、合併症、骨造成

【諸言】口腔インプラント治療の予後評価に関する報告は多いが,インプラントシステム,術者および施設環境が異なるためか治療予後に関するコンセンサスは得られていない。治療結果に関わる諸因子の評価や考察も十分ではない。演者らは歯周病患者の口腔機能回復治療にインプラント治療を実践しており,疫学的検討を行うため,これまでの治療結果に関する後ろ向き研究を行った。
【方法】奥羽大学歯学部附属病院第一総合歯科において,平成18年12月から平成28年12月にインプラント治療による咬合機能回復治療を受けた患者70人に埋入された計296本のインプラント体の予後について後ろ向き研究を行った。使用したインプラントシステムはPOIとブローネマルクの二種類であった。統計処理には,カイ二乗検定を用いた。
【結果】咬合機能期間は平均3.2年,インプラントの生存率は99.0%,合併症は,インプラント周囲炎(14本,4.7%)およびディスインテグレーション(3本,1.0%)であった。インプラント周囲炎を発症した64.3%,ディスインテグレーションを起こした100%に人工骨を使用した骨造成を併用していた。骨造成を併用した92本中,偶発症を認めたのは13.0%,骨造成を行わなかった204本では2.5%であり,統計学的な有意差が認められた。
【考察】演者らの今回の報告は,経過期間がまだ短期間であるが良好な治療経過が得られており,今後長期に亘り適切なSPTおよび経過観察を行いたい。また,インプラント周囲炎の発症および進行に関わるリスク評価を行う際,人工骨を使用した骨造成はインプラント周囲炎のリスク因子になり得ることが示唆された。