[SYIA-05] Osterixの下流の標的遺伝子であるZBTB16はヒト歯根膜由来間葉系幹細胞の骨芽細胞分化を制御する
研修コード:3104
Keywords:歯根膜由来間葉系幹細胞、骨芽細胞RNA-seq、転写因子
【目的】間葉系幹細胞は骨芽細胞分化誘導培地により骨芽細胞に分化することが知られており,その分化の過程についてはさまざまな転写因子が関与していると考えられているが,未だそのメカニズムは不明な点が多い。そこで我々は,ヒト歯根膜由来間葉系幹細胞の網羅的遺伝子発現解析(RNA-seq)を実施し,誘導培地により発現が大きく変動した遺伝子を選定し,同遺伝子が骨芽細胞分化に与える影響について詳細な機能解析を実施することとした。
【材料と方法】ヒトの抜去歯牙より歯根膜を採取し,酵素処理により単離したヒト歯根膜由来間葉系幹細胞を用いて,継代数3から6の間で実験を行った。RNA-seqにより2群間において有意な発現変動を認めた遺伝子(Differentially expressed genes: DEGs)を選別し,特定のDEGsに関してqRT-PCRとWestern blotting法により,骨芽細胞分化過程における発現を確認した。詳細な機能解析のため,siRNAを用いて特定の因子をノックダウンさせ,骨芽細胞分化に与える影響について調査した。さらに,転写因子-DNA相互作用を確認するためChromatin Immunoprecipitation (ChIP) assayを実施した。
【結果と考察】RNA-seqの結果では,転写因子であるZBTB16が骨芽細胞分化誘導培地により著明な発現上昇を認め,同遺伝子はqRT-PCRとWestern blotting法でも有意な発現上昇を認めた。またsiZBTB16により,骨芽細胞分化は抑制された。さらに,ChIP assayの結果から,転写因子であるOsterixがZBTB16のプロモーター領域に結合することがわかった。
【結論】ZBTB16は骨芽細胞分化誘導培地を用いた分化誘導において,歯根膜由来間葉系幹細胞の骨芽細胞分化を正に制御しており,同遺伝子はOsterixにより制御されていることが示唆された。
【材料と方法】ヒトの抜去歯牙より歯根膜を採取し,酵素処理により単離したヒト歯根膜由来間葉系幹細胞を用いて,継代数3から6の間で実験を行った。RNA-seqにより2群間において有意な発現変動を認めた遺伝子(Differentially expressed genes: DEGs)を選別し,特定のDEGsに関してqRT-PCRとWestern blotting法により,骨芽細胞分化過程における発現を確認した。詳細な機能解析のため,siRNAを用いて特定の因子をノックダウンさせ,骨芽細胞分化に与える影響について調査した。さらに,転写因子-DNA相互作用を確認するためChromatin Immunoprecipitation (ChIP) assayを実施した。
【結果と考察】RNA-seqの結果では,転写因子であるZBTB16が骨芽細胞分化誘導培地により著明な発現上昇を認め,同遺伝子はqRT-PCRとWestern blotting法でも有意な発現上昇を認めた。またsiZBTB16により,骨芽細胞分化は抑制された。さらに,ChIP assayの結果から,転写因子であるOsterixがZBTB16のプロモーター領域に結合することがわかった。
【結論】ZBTB16は骨芽細胞分化誘導培地を用いた分化誘導において,歯根膜由来間葉系幹細胞の骨芽細胞分化を正に制御しており,同遺伝子はOsterixにより制御されていることが示唆された。