粉体粉末冶金協会2023年度秋季大会(第132回講演大会)

講演特集の案内

 

講演特集
1.硬質(工具)材料に関する新たな展開
 (New Developments of Hard (Tool) Materials)
 切削加工,塑性加工,掘削などの機械システムの性能は硬質(工具)材料によって大きく影響されるため,硬質材料の性能,製造プロセス,コスト,資源などの多くの観点からの今後の技術発展および研究が期待されています.本特集では,WC 基超硬合金, Ti(C, N) 基サーメット,セラミックス,cBN・ダイヤモンド焼結体,CVD,PVD などの硬質材料技術に関して,原料,材料組織,材料特性,工具特性,解析法,理論,シミュレーション,資源問題などに関する最近の研究課題と成果,新しい技術動向・進展などの発表を募集します.我が国の硬質材料技術の発展のための研究発表と議論を行いたいと思いますので,奮ってご参加ください.なお,同時期に開催される国際会議(JSPMIC2023)においても硬質材料のセッションを予定しています.
 
2.磁性材料・磁気デバイスにおける微細構造制御と機能発現
  (Control and Manipulation of Microstructure in Magnetic Materials for Functional Devices)
 本特集では,ハード磁性,ソフト磁性等の様々な材料について,材料の磁気特性や応用先における機能と微細構造を結び付けて議論する多くの研究を紹介してきました.永久磁石用ハード磁性材料,パワーエレクトロニクスのためのソフト磁性材料では,新規材料設計や新規作製プロセスについて注目し,合金系磁性体からフェライトまで幅広く募集いたします.これらは持続可能でスマートな人に優しい社会を実現する上で必要であり,パワーエレクトロニクスにおいて不可欠の材料・デバイスで,日本が世界をリードする重要なものとなっています.また,通信技術の進展に伴う高周波対応材料・デバイスについても重要性がますます認識され,講演が増えております.さらに,磁性材料の応用範囲を拡大することが期待されるバイオや環境分野などについても,材料,デバイスの提案を含め,新しい話題提供の場となるようなセッションを構成したいと考えています.今回もこのテーマで,産官学から多くの機関の研究者が集い討論する場となることを期待して講演を募集したいと考えています.

3.粉末成形・加工による特異組織構造形成と高次機能化
 (PM Materials with Unique Microstructures and their Multi-functionalization)
 粉末焼結材料は,これまでに自動車産業やエレクトロニクス産業を支える基盤素材・部品として国内外で実用化される中,環境調和を可能とするグリーン材料・プロセスの開発や機能・特性の更なる高度化により新興国での廉価部材との差別化を進める一方,有機/無機材料の複合化や3次元積層造形技術など粉末冶金プロセスの特徴を活かし,航空機産業や医療機器分野への社会実装を見据えた基盤研究ならびに実用化開発が行われています.また,金属材料の製造過程で発生する廃材の再資源化に資する新たなプロセスや,品質向上を可能とするアップグレードリサイクルの基盤技術として粉末冶金法の新規展開が試みられています.
 本特集では,基本プロセスとなる粉末成形と固/液相焼結に加えて,金属材料の高強靭化を可能とする微細/粗粒混合調和組織形成,力学特性の飛躍的向上を目指した炭素系ナノ粒子との複合化,塑性加工との融合による特異な集合組織形成や溶解・鋳造法では実現し得ない原子・ナノスケールでの複合組織構造化,3次元多孔質構造化などに係る新たな粉末材料・プロセス設計,廃材の高度再資源化製法,さらには焼結体特有の組織構造の定量化・最適化に係る数値計算などに関して,実験解析および計算科学を通じた粉末焼結材料における特異な組織形成機構の解明と高次機能化に関する講演を広く募集しますので,奮ってご参加ください.

4.粉体グリーンプロセスにおける環境・エネルギー関連材料及び技術の新展開
 (New Development of the Environment and Energy Related Materials Using Particle Processing for Green Science)
 近年エネルギーの効率的利用の観点から,エネルギー蓄積および創生に関連するデバイスや省エネルギープロセスが盛んに開発されており,これらの試みには優れた粉体合成の手法やハンドリング技術が強く求められます.そして,このようなエネルギー関連のデバイスや省エネルギープロセスの開発に対する粉体工学の関わりは,今後よりいっそう強くなる事が予想されます.更に,高性能粉体の合成プロセスに対しても,低環境負荷及び省エネルギーという,いわゆるグリーンプロセスが強く求められており,地球環境・エネルギー問題に対する粉体工学の寄与が強く求められています.そこで本特集では,これら地球環境やエネルギー問題に貢献する粉体工学に関連した研究テーマに関して,シミュレーションから合成, 評価に至るまでこの分野の最新技術を幅広く取り上げ,粉体工学の新展開や地球規模での環境問題などへの関わり方について議論したいと考えています.幅広い領域からの講演を募集します.

5.DX/GX時代の電子部品材料開発

 (Materials Development for Electronic Components in the DX/GX Era)
 近年,気候変動やエネルギー利用/確保への注目がより増しており,業務/作業の効率化としてのDXに加え脱炭素・エネルギー安定供給・経済成長を同時に実現するGX(グリーントランスフォーメーション)が求められる時代を迎えています. リモートワーク,学習/アミューズメント,自動運転などを代表とした領域においてDX/GXの効果的な利用実現が求められ,特にエレクトロニクスの必要性や重要性がますます高まっています.IoT/センサネットワーク,通信,ロボット,AI,メタバースなど最先端技術を活用した豊かな社会を実現するためには,エレクトロニクス機器の高度化・高速高性能化はもとより,小型化・高信頼化を飛躍的に高める技術革新が求められています.これらを支えるのが電子部品デバイス・材料技術であり,特に高機能電子材料は高付加価値製品の実現に必要不可欠となります.
 本特集では,新しい時代の技術革新を支え実現する電子部品材料やプロセス技術,モジュール化,設計技術など幅広いエレクトロニクス分野の講演を募集します.多くの方々の参加をお待ちしています.