粉体粉末冶金協会2024年度秋季大会(第134回講演大会)

講演特集の案内

 

企画セッション
1.負熱膨張粉体を用いた熱膨張制御
 (Suppression of Thermal Expansion by Negative Thermal Expansion Materials)
 ナノテクノロジーの進展に伴って,熱膨張による位置決めのずれや異種材料接合界面の剥離などの問題が顕在化しており,負熱膨張材料を用いた熱膨張制御に注目が集まっています.高純度化学研究所,JX金属,日本材料技研,三井金属鉱業,ミサリオが相次いで負熱膨張材料の販売を始めるなど,この分野で日本は非常に高いプレゼンスを示しています.
本特集は,従来材料の改良,新しい負熱膨張材料の開発に加え,複合材料の熱膨張率予測や負熱膨張性人工構造体,関連の先進計測技術,さらには電子デバイスでの熱応力や熱歪の制御に関する講演を広く集め,負熱膨張粉体を用いた熱膨張制御に関する議論の場を提供します.奮ってご参加下さい.
 

講演特集
1.硬質(工具)材料に関する新たな展開
 (New Development of Hard (Tool) Metals)
 切削加工,塑性加工,掘削などの機械システムの性能は硬質(工具)材料によって大きく影響されるため,硬質材料の性能,製造プロセス,コスト,資源などの多くの観点からの今後の技術発展および研究が期待されています.本特集では,WC 基超硬合金, Ti(C,N) 基サーメット,セラミックス,cBN・ダイヤモンド焼結体,CVD,PVD などの硬質材料技術に関して,原料,調製技術,材料組織,材料特性,工具特性,解析法,理論,シミュレーション,資源問題などに関する最近の研究課題と成果,新しい技術動向・進展などの発表を募集します.我が国の硬質材料技術の発展のための研究発表と議論を行いたいと思いますので,奮ってご参加ください.

 
2.磁性材料・磁気デバイスにおける微細構造制御と機能発現
 (Control and Manipulation of Microstructure in Magnetic Materials for Functional Devices)
 本特集では,ハード磁性,ソフト磁性等の様々な材料について,バルク,薄膜,微粒子等の形態を問わず,材料の磁気特性や応用先における機能と微細構造を結び付けて議論する多くの研究を紹介してきました.永久磁石用ハード磁性材料,パワーエレクトロニクスのためのソフト磁性材料では,新規材料設計や新規作製プロセスについて注目し,合金系磁性体からフェライトまで幅広く募集いたします.これらは持続可能でスマートな人に優しい社会を実現する上で必要であり,パワーエレクトロニクスにおいて不可欠の材料・デバイスで,日本が世界をリードする重要なものとなっています.また,通信技術の進展に伴う高周波対応材料・デバイスについても重要性がますます認識され,講演が増えております.さらに,磁性材料の応用範囲を拡大することが期待されるバイオや環境分野などについても、材料、デバイスの提案を含め、新しい話題提供の場となるようなセッションを構成したいと考えています.これらの幅広い磁気に関する講演について,産官学の多様な参加者が一堂に会して討論する場となることを期待して,多くの皆様の講演申込をお待ちしています.また、会場においでいただき、奮ってセッションにご参加ください.

3.粉末積層3D造形に関わる材料および技術の最先端
 (Recent Advances of Materials and Technologies on Additive Manufacturing)
 金属やセラミックス,樹脂を原料として直接製品を成形する粉末積層3D造形技術が大きな注目を集めています.本技術には,粉末製造から装置開発,造形挙動の理解や組織解析,造形体の特性評価,ポストプロセス,造形物の検査,構造体の3D設計等が必要で,学術研究だけではなく,航空宇宙,医療,金型等をはじめとする産業応用も急速に拡大しています.積層造形技術と造形体の特徴を把握するためには,粉末製造技術と粉末特性の理解に加え,材料科学や機械工学等の知識が必要不可欠な状況となっています.これまで計7回の講演特集が開催され,幅広い分野の方が集い学術的な討論並びに産業からの意見交換を行うなど,特色あるシンポジウムとして好評を博しています。当該技術に関連する研究者の方々の積極的なご発表ならびにご興味を抱かれている多方面からのご参加を歓迎します.


4.外場効果を利用した新たな創製技術と機能発現
 (Towards New Synthesis Technologies and Functionality Derived by External Field Effects)
 これまで様々な材料開発技術を駆使して製造プロセスならびに各種材料特性の向上が図られてきました.近年,電場・磁場に代表されるような物理的な外部場を積極的に利用し,既存の材料開発手法では達成し難い高効率材料製造プロセスの実現,また材料中の新たな微細組織の創出や特異な材料機能の発現などが報告されています.循環型社会の実現など喫緊の社会的要請に応えるためにも,従来の概念にとらわれない新たな材料創製への挑戦が期待されます.
 本特集は,2024年春季大会に引き続き,外場効果に対する基礎的知見を深めると共に,材料創製にもフォーカスした討論と情報交換の場を提供し,基礎と応用の融合を図ることで当該分野の更なる活性化を推し進める端緒となることを目指します.外場環境下における動的現象一般に関係した基礎・基盤的な研究から,様々な外場効果を利用した創製手法の開拓に亘って講演を広く集めますので,奮ってご参加ください.